今回も引き続き加藤さんにお仕事のやりがい等についてお話を伺いました。
- いきいき:お仕事で楽しかった事、うれしかった事を教えてください。
- 加藤さん:うれしかったことは、利用者さんに「ありがとう」と言っていただける時や、リハビリを頑張って元気になった方に感謝してもらえた時、あとターミナルで、ご本人の希望通り、ご自宅で家族と大切な時間をすごす事ができ、ご家族に「最後までありがとう」「本人が家で過ごしたいと言っていたのを叶えてくれてありがとうね」などと言ってもらった時ですね。
- いきいき:感謝の気持ちが達成感につながりますよね。逆につらい事、悲しかった事はありますか。
- 加藤さん:つらかった事は、やっぱりお別れの時ですよね。10年前から関わっている方もいますので、本人だけではなくて、家族の方ともコミュニケーションをとって色々なお話をします。利用者さんとお別れしてしまうと、今まで毎月行っていたお宅に基本行かなくなるので、たまに、どうしているかな…と思って「お元気ですか」と行くこともあります。
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- いきいき:いきいき60+をご覧いただけたかと思いますが、いかがですか?
- 加藤さん:初めて拝見しましたが、検索すると“自立向”や“介護向”と書いてあるので、ここは介護向だから、高齢者で介護が必要な方が入れるんだなという目安になるなと思って見させていただきました。実際に見学したり事業所に確認しなければ、普通の一覧を見ただけでは分からないですよね。
当社でもサービス付き高齢者住宅を併設して、いろいろなサービスを使うことができます。安否確認だけでもサービスになるんですよね。そこはサービスが付いているから安心と思ってしまいますが、一般の方だったら分からないですよね。 - いきいき:サービスというニュアンスのみで受け取ってしまうと、時に勘違いが生まれてしまうかもしれませんね。最後に、プライベートでの過ごし方を教えてください。
- 加藤さん:普段は車での移動が多く運動不足なので、ホットヨガに行き、汗だくになってリフレッシュしています。あとは年に一度、NCCUという組合のソフトバレーの大会があるので、月2,3回練習をしています。ちょっと最近さぼっていますが(笑)。ソフトバレーの経験はありませんが、10人位で楽しく遊んでいます。テーオーケアサービスの秋野さんもたまに体を動かしに来るんですよ。
- いきいき:ホットヨガって、新陳代謝が上がるイメージですね。
- 加藤さん:湿度60%、室温40~50度のサウナよりも少しぬるい所で体を動かします。女性専用で、1リットルくらい水を飲みながらやるので代謝が良くなると思いますよ。おすすめです。
- いきいき:サ高住を運営されている施設さんで、空室でお困りの方と、そうでない方がいらっしゃいますが、ご紹介する側から、何かアドバイスがあれば教えてください。
- 加藤さん:当社は4年目なのですが、開設当時、需要があるのか不安でしたが、現在、空きが1割ほどです。訪問介護や定期巡回など色々なサービスを併設していて、看取りもやります。この4年で10人はお看取りさせていただきました。訪問診療の先生に来てもらい、医療的なことも必要に応じ行います。サービス付き高齢者向住宅自立型だとちょっと難しいといわれる方でも、ご相談いただければと思います。ご本人、ご家族が希望すれば「最後までここにいる事ができます」というのが特徴ですね。
やはりなるべく多くの方にご対応できることが大事なのかなと思います。 - いきいき:今日はお忙しいところありがとうございました。
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10年もの利用者さんや、そのご家族とのお付き合い。なかなか経験できない深いつながりに驚きました。
ジャパンケア函館昭和 居宅介護支援
管理者・主任介護支援専門員(社会福祉士)/
ケアマネジャーネットワーク函館 理事
加藤由美
函館生まれ、函館育ち。高校卒業後、事務員として勤めるが、持ち前の向上心から資格が取れる仕事を探し始める。その時、ヘルパーをしていた親戚の紹介と、2000年から始まった介護保険が重なり、ヘルパー2級を取得、施設に勤め始める。その後在宅のヘルパーステーション等を経験しながら、介護福祉士、主任介護支援専門員、社会福祉士の資格を取得。現在はジャパンケア函館昭和 居宅介護支援にて日々ご活躍中。
今回はジャパンケア函館昭和 居宅介護支援の管理者 加藤 由美さんにお話を伺いました。
- いきいき:普段のお仕事の内容をお聞かせいただけますでしょうか。
- 加藤さん:ケアマネジャーとして働いていますので、利用者さんのお宅を訪問しサービスの調整をしたり、病院からの依頼で、退院して自宅に帰る方への退院支援をすることが多いです。また、介護サービスが必要な方からご相談を受けることもあります。
- いきいき:勤務以外での介護業界との接触、活動はありますか。
- 加藤さん:ケアマネジャーネットワーク函館の理事をさせていただいているので、松野会長やアニーの渡部さんと、研修会の企画などのいろいろなお手伝いをしています。あとは居宅連協さんなどの研修会にも時間があえば参加するようにしています。
- いきいき:最近開かれた研修会などで、為になったと思うものがあれば教えてください。
- 加藤さん:医療介護連携の窓口が4月に立ち上がり、病院の先生、ケアマネジャーや訪問リハビリ、訪問看護などさまざまな職種の方との研修会があり、意見交換できて面白かったですね。退院支援する為に上手くいったケース、上手くいかなかったケースなどの話をしました。
- いきいき:さまざまな職種といいますと、他にどのような職種の方が参加されていたのですか?
- 加藤さん:お医者さん、訪問リハビリ、歯医者さん、訪問マッサージさん、薬剤師さんなどです。全部で250人くらいの大きな研修会でした。
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- いきいき:この業界で働くことになったきっかけを教えていただけますか?
- 加藤さん:高校を卒業してから事務員として働いていましたが、何か資格が取れる仕事がしたいと思っていました。その当時ヘルパーの仕事をしている親戚のおばさんに「やってみたら?」と言われて始めたのがきっかけです。ちょうど介護保険が2000年から始まり、私がヘルパーの資格を取ったのが2001年でした。最初は施設で働いていて、次は在宅のヘルパーステーションで長く勤務させていただきました。その後、介護福祉士やケアマネジャー、社会福祉士の資格を取りました。
- いきいき:資格がある方が勤務できるような感じなのでしょうか。
- 加藤さん:私のところはそうでした。ヘルパー2級以上の募集だったので、施設で介護員として働かせていただきました。
- いきいき:介護業界で気になること、もっとこうしたらということを教えていただけますか。
- 加藤さん:うちの事業所では、訪問看護とか訪問入浴、ヘルパーステーションなどを併設しているため、末期がん、重度の方など、病院からのケースを担当することも多いです。介護保険申請をしてから結果が出るまで時間がかかるんです。通常で1ヶ月、早くしてくださいとお願いしても2週間くらいかかるので、調査に来ていただいた時はまだ元気でも一週間後には状況がガラッと変わることが多々あります。基本的に要介護2以上でないとベッドなどを借りられません(自己負担になってしまいます)が、例えば、調査に来ていただいた時はまだ歩くことができても、3日後に寝たきりになる方もいます。その後“要介護1”と結果がでることもあり、ターミナルのケースなどは、もう少し柔軟な対応をしてくれればありがたいなと思うことがありますね。
- いきいき:利用者さんに2週間から1カ月待っていただいた後に要介護、要支援の認定を受けて、それから必要なものを借りる手続きを、という形なのですか?
- 加藤さん:一応暫定で申請したときから借りることはできますが、もし要介護2以下であれば、必要な手続きをしないと全部自己負担になってしまう可能性もあります。
費用に関しても、1割負担から2割負担に増えた方もいるので、それでサービスを減らしたりするという方も中にはいました。今後は3割負担になるそうなので、そうすると使いたくても「こんなにかかるの?」と思う方もいらっしゃるのかなと思います。
負担割合は前年の所得に対して決定されるので、たまたま不動産を売却された方も、負担が増えてしまう可能性があります。
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次回は引き続き加藤さんに、お仕事のやりがい等についてお聞きしました。
ジャパンケア函館昭和 居宅介護支援
管理者・主任介護支援専門員(社会福祉士)/
ケアマネジャーネットワーク函館 理事
加藤由美
函館生まれ、函館育ち。高校卒業後、事務員として勤めるが、持ち前の向上心から資格が取れる仕事を探し始める。その時、ヘルパーをしていた親戚の紹介と、2000年から始まった介護保険が重なり、ヘルパー2級を取得、施設に勤め始める。その後在宅のヘルパーステーション等を経験しながら、介護福祉士、主任介護支援専門員、社会福祉士の資格を取得。現在はジャパンケア函館昭和 居宅介護支援にて日々ご活躍中。
今回も引き続き、鈴木さんにお仕事以外での介護業界との接触などについてお聞きしました。
- いきいき:お仕事以外での介護業界との接触や、活動など何かされていることがあれば教えてください。
- 鈴木さん:前回インタビューされていた佐々木エリカさんと一緒にやっているのが、福祉未来の会です。他に、居宅介護支援事業所の連絡協議会の幹事もさせていただいています。
- いきいき:佐々木さんとは福祉未来の会でお知り合いになったのですか。
- 鈴木さん:それよりも前からです。佐々木さんも今の職場の前は別の包括支援センターにいて、市内の包括支援センターの主任ケアマネジャーが集まる部会があり、そこでも一緒でした。
- いきいき:福祉未来の会や居宅連協の勉強会などで、為になった事や面白かった事があれば教えてください。
- 鈴木さん:「福祉未来の会」では企画メンバーとの情報交換も為になっています。認知症や権利擁護、他にも人が生活していくためには地域のあらゆることが関係しています。他人事ではなく自分ごととして一人一人が考え支え合う地域づくりに関わっていきたいです。
医療・介護・福祉など多職種との連携や、包括支援センターが行っている地域ケア会議にも極力出席するようにしています。医療も地域も介護サービスも、みんなでスムーズに連携できる地域ができればいいですね。 - いきいき:どういった連携があるのですか。
- 鈴木さん:例えば、薬の飲み残しという問題が結構あるのですが、利用者がいつも行っている調剤薬局と相談して、どのようにしたら改善できるか相談したり、調剤薬局の方から「ちょっと認知症が進んでいるようですが心配で」という相談をいただいたりします。
お医者さんは処方した薬を飲んでいることを前提に、血液検査などをされているので、前提条件が違ってしまっているのに検査結果に変動があると、処方される薬がどんどん増えてしまうなど、本人の治療がしっかりできないという事になってしまいかねません。そういった事態を防げる可能性があります。
他にも高齢者が気軽に買い物に行くスーパーやコンビニとも、連携を取ることもあります。もちろん個人情報の問題もあるので慎重に行いますが…
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- いきいき:弊社のサービス付き高齢者住宅の検索サイト「いきいき60+」はご覧いただけましたでしょうか。
- 鈴木さん:今は特養や有料、老健などの施設が入所待ちなのもあり、特養までいかなくても自宅で1人だと難しい方は、サ高住に紹介する場合が増えてきています。検索もしやすいのでこれからも利用させていただきたいと思います。
私が今住んでいる所がアパートの2階なのですが、自分がこれから1人暮らしで高齢になった場合に、この階段が難しくなるなと時々思うことがあります。今は転勤や引越しを頻繁にする方が結構いると思うので、自分の状況に合わせて住み変えしていくのは抵抗なくできるようになるのかなと思っています。 - いきいき:ケアマネジャーさんから見て「ここがいいな」と思ったところに頻繁に紹介される事などはありますか。
- 鈴木さん:実際に見学してみて職員からも話を聞いて、ここが良いなと思うところに紹介しますが、とても数が多いので全部を見学するのは難しいですね。場所によってさまざまな印象を受けます。
サ高住の周りにコンビニがあるか、交通の便が良いかなど、その辺りも見ますね。あとは比較的外出できる方であれば外出可能である事など、利用者さんの状態に合わせて紹介していますが、最終的には本人や家族に見学に来ていただいています。 - いきいき:最後の質問になりますが、プライベートはどのようにお過ごしでしょうか。とても勉強家でいらっしゃるので、気分転換するタイミングが難しいのではありませんか。
- 鈴木さん:研修参加は自己研鑽と情報収集など自分を高める意味でも予定が合えば土日なども研修に行くこともあります。逆に気分転換になっているかもしれません。あとは市内で気になるカフェなどがあると友達を誘って行ったり、大沼や近場をドライブしたり、普段と全く違う事をします。 ドライブは、いつも同じところに行っているような気がします(笑)。
家では、今とりかかっているのは「断捨離」。たまにナンクロなどのパズル系をやっていますね。あとは本を読んだりしています。 - いきいき:気張って勉強するぞ!ではなく、楽しみながら勉強されているのですね。ありがとうございました。
-
待ちの姿勢ではなく、あの手この手で高齢者の皆さんを見守ってくださっているのですね。
ケアプランセンターこん 管理者・主任介護支援専門員
福祉未来の会
居宅介護支援事業所連絡協議会 幹事
鈴木朋子
青森生まれ、函館在住。ご両親の転勤により小学校時代5回の転校を経験。休日も研修に参加するほどの勉強家で、ご自身曰く「知識はもちろん、自分の人間性を磨くため、そして普段の業務を見直す機会にもなり逆に気分転換になる」とのこと。救護施設に在職中、介護福祉士の免許を取り、介護支援専門員の資格取得を機に転職。老人介護支援センターと居宅介護支援センターとの兼務を経て、H18年より包括支援センターで8年間勤務。H26年より「ケアプランセンターこん」へ異動し現在に至る。管理者として、主任介護支援専門員として、日々ご活躍中。
今回はケアプランセンターこん、管理者の鈴木朋子さんにお話を伺いました。
- いきいき:普段のお仕事の内容をお聞かせください。
- 鈴木さん:地域包括支援センターや病院、本人、家族等からいただいた相談の対応など、ケアマネジャーの業務です。お話を聞かせていただいて、必要なサービスを調整したり、病院や地域の方、サービス事業所等と協力して、その方の生活の安定を図っています。
- いきいき:鈴木さんは管理者でいらっしゃいますが、どのような業務になるのでしょうか。
- 鈴木さん:こちらにはケアマネジャーが私を含め5人いるのですが、それぞれが担当している利用者が抱えている問題や、支援の方向性について迷っている利用者さんがいるかどうかなどの情報をケアマネジャーから集め、事業所としてどのように対応していくか検討して今後の支援に活かしたり、職員の勤務管理などをしています。
- いきいき:この業界で働く事になったきっかけを教えていただけますか。
- 鈴木さん:ケアマネジャーとしての勤務は平成13年の4月からなので15~16年になりますが、それ以前は救護施設で働いていました。そこで介護福祉士の免許を取って、それから5年経ってケアマネジャーになりました。
- いきいき:救護施設にいらっしゃるときからケアマネジャーになりたいというお考えがあって、お勉強されていたのですか。
- 鈴木さん:介護保険が平成12年から始まり、ちょうどケアマネジャーができたばかりだったのと、あとは施設ではなく在宅にも興味がありました。救護施設での経験を活かして介護福祉士の資格を取り5年勤務して、そこでちょうど介護保険ができた頃だったので、ケアマネジャーの受験をしました。
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- いきいき:それからずっとこちらにお勤めなのですか。
- 鈴木さん:そうですね。平成13年に来た時はまだ包括支援センターができる前で、老人介護支援センターというのが市内に何箇所かありましたが、その内の1つがこちらだったんです。老人介護支援センターとケアプランセンター兼務という形で入職し、途中からケアマネジャー一本になりました。
- いきいき:楽しかった事やつらかった事など、具体的な例がありましたら教えてください。
- 鈴木さん:ケアマネジャーとして人の支援などをしていると、自分のやっている事はこれでいいのかなとずっと思っていて、とにかく勉強したくて仕方がない時期がありました。一番は包括で仕事をしている時だったでしょうか。それで、札幌や東京にも興味のある研修には行っていました。
その時に深く学びたいと思ったのが認知症についてです。認知症ケア学会の研修には頻繁に行きました。先生方の人間性が本当に素晴らしく、研修会そのものもそうですが、研修以外で話をさせていただく機会もあり、そうすると自分に色々吸収されて行くのが感じられましたね。 - いきいき:いろいろ吸収できていくのを感じることが楽しかったのですね。逆につらい事や悲しい事、大変だった事はありますか。
- 鈴木さん:包括支援センターでは一主任ケアマネとして勤務していましたが、ケアプランセンターに移り初めて管理者という立場になり、その時が一番大変でした。
管理者になると皆の支援状況などを確認したり、苦情など何かがあれば管理者が動かなければならないので、そうならない為に毎朝みんなの支援状況などを聞いて指示をしたりしています。つらいという訳ではありませんが、責任を感じますね。 - いきいき:これから管理者になる方にアドバイスがあれば、いただけますか。
- 鈴木さん:私がここに来たときには既にケアマネジャーさんがいて、そこにポッと入っての管理者なので、まずは信頼関係を築くのが第一歩なのかなと思いました。指示命令ばかりしていると受け入れてもらえないので、まずは受け入れる。そして一緒に考える姿勢が大事なのかなと思います。 そして検討しながら、最終的には担当しているケアマネジャー自身が「こういうふうにしていこう」と気づいてくれるように持っていくのを心がけています。
- いきいき:お話を伺うとなかなか難しいですね。
- 鈴木さん:でもケアマネジャーの仕事自体がそうなんですよ。ケアマネジャーが利用者さんや家族に「こうしてください」と言うのではなく、色々な情報を提供して「じゃあこのようにしたいわ」というように持っていくので、人に対しての支援という意味では同じなのかなと思います。
- いきいき:共通点があるのですね。
- 鈴木さん:ケアマネジャーの対人援助技術や認知症の勉強をしていくと、認知症の人への支援は「否定しないで」「寄り添って」といいますが、それは社会の上下関係や仲間、子どもにもそうだし、人に対しての対応って、同じなんですよね。
—
次回は引き続き鈴木さんに、お仕事以外での介護業界との接触などについてお聞きしました。
ケアプランセンターこん 管理者・主任介護支援専門員
福祉未来の会
居宅介護支援事業所連絡協議会 幹事
鈴木朋子
青森生まれ、函館在住。ご両親の転勤により小学校時代5回の転校を経験。休日も研修に参加するほどの勉強家で、ご自身曰く「知識はもちろん、自分の人間性を磨くため、そして普段の業務を見直す機会にもなり逆に気分転換になる」とのこと。救護施設に在職中、介護福祉士の免許を取り、介護支援専門員の資格取得を機に転職。老人介護支援センターと居宅介護支援センターとの兼務を経て、H18年より包括支援センターで8年間勤務。H26年より「ケアプランセンターこん」へ異動し現在に至る。管理者として、主任介護支援専門員として、日々ご活躍中。
今回も引き続き佐々木さんにお仕事のやりがいや、この業界で気になることなどをお聞きしました。
- いきいき:お仕事をされていて楽しい事やつらい事を教えてください。
- 佐々木さん:楽しいことは、みなさんそうだと思いますが、利用者さんや入居者さん、ご家族の方が笑顔でいらっしゃる時は本当に楽しいですね。施設にいると、入居者さんのケアの部分などで感謝していただくこともありますし、そういう言葉をかけていただいた時は、本当にうれしいなと思います。
あと、ここの施設に来て思ったのは、みんなで“チームケア”という部分で目標を作って、ひとつの事に一致団結して取り組んでいて、達成できた時は喜びを感じますね。
在宅の部分では、小規模の利用者さんなのですが、ずっと施設に入りたいと言っていた方が、みんなの支えによって気持ちが変化して、みんなに手伝ってもらいながらしばらく家で暮らし続けたいというように選択してもらえた時も、私たちがきちんと支えた成果なのかなと感じられました。そういう時はうれしいなと思います。 - いきいき:逆につらい事はありますか。
- 佐々木さん:管理者というところで言うと、自分の思ったように事が進まないことも多いですし、予期しないことが次から次へと出てきます。それは利用者さんや入居者さん、職員の事もあって、いつも気を抜けないというか時々疲れるなと思うことはあります。
- いきいき:全体を見ないといけない分、タフな仕事ですね。
- 佐々木さん:最初来た頃は本当に職員の定着率が悪くてどうしようと思いましたが、実際に利用者さんや入居者さんに楽しんでもらう為には、まず自分たちが働きやすい職場作りをしてみようと「サービス向上委員会」というものを新しく作り、みんなで「ここはこうだよね、あれはこうだよね」と話をしながら取り組んでいます。その甲斐もあり、この1年で退職者が1人、2人になり、定着率も良くなってきました。おそらく職員同士の結びつきが良くなってきたのかなと思います。
どんなに自分の好きな仕事であっても、一緒に働く仲間に左右されるので、人間関係が一番大事です。スタッフ同士がいがみ合っているのって伝わってきますし、そうなると利用者さんもそんなところで安心して暮らせないと思うので、雰囲気作りが大事だよねと話しています。 - いきいき:技術の部分もそうですがハートも育てていかなければならないと思いますし、介護業界の皆さん頭を悩ませている所かと思います。 続きまして、介護業界で気になる事や、もっとこうしたらと思う点があれば教えてください。
- 佐々木さん:今、地域包括ケアシステムで、医療福祉や地域資源で縦横にネットワークが広げられているのですが、そのシステムで本当に要介護者や障がい者などが暮らしやすい世の中になっていくのかなと心配しています。来年から函館市も日常総合支援事業が始まりますが、町内会や地域の結びつきが強いところは良いとは思いますが、交流が少ない方などが隙間に埋もれてしまって、必要なサービスが届かなかったり使い勝手が悪くなってしまわないかなと思っていました。
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- いきいき:地域との交流が苦手な方もたくさんいらっしゃいますからね。
- 佐々木さん:介護保険は法的なサービスですが、日常総合支援事業になると、ボランティアさん任せみたいな部分も含まれていて、そのような中で使いづらかったりしないのかなという心配もあり、そう考えるとこれからは個人の持っている力、人であったりお金であったり物、そういうものが揃っている人は十分なサービスや必要な援助が受けられるのですが、そういう力が無い人は制限されてしまうのではないかと、漠然と思っています。
- いきいき:弊社のサービス付き高齢者住宅の検索サイト「いきいき60+」はご覧いただけましたでしょうか。
- 佐々木さん:拝見しました。地図に高齢者の住宅が点々と付いていて、どこの地域にどういうものがあるのかすぐに分かるのがいいなと思いました。あと、高齢者住宅は今とても複雑になってきていて、一般の方だと分かりにくいと思いますが、住宅型と介護型という形できちんと分かりやすく書かれていて、実際に選ぶ時にその説明を読むと「自分はこっちだな」などと選択しやすくていいな、便利なものだなと思いました。
- いきいき:最後の質問になりますが、プライベートでの過ごし方を教えてください。
- 佐々木さん:基本的にはゆっくり過ごしています。温泉に行ったり、犬や猫の本を見て過ごしています。写真を見ると和むので。
- いきいき:ペットを飼われているのですか。
- 佐々木さん:チワワを飼っていますが、うちの犬は猫化しているんですよ。帰った時に「ワンワンワン」とお迎えに来てくれるけれど、それは付き合いでやってくれているような(笑)。一通り吠えるとスーッと自分のケージに入ってしまいます。他の家のワンちゃんだと、結構絡まって「遊んで!」と来ますが、それが無くて少し寂しいかなと。あまりにも小さいときに構わなすぎたのかな。
- いきいき:挨拶みたいなものなのですね。それが佐々木さん家のワンちゃん流の癒しかもしれませんね。
佐々木さん、今日はお忙しいところありがとうございました。
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大きな問題が起きた時に、今一度自分の仕事を見つめなおし、必要な事柄を明確にしてシステムを作っている所に、力強さを感じました。
地域密着型特定施設入居者生活介護事業所ゆう 施設長
介護付有料老人ホームゆう 施設長
小規模多機能ホームゆう 施設長
佐々木エリカ
函館生まれ、函館育ち。市内の病院にて准看護士として勤めていたが、出産を機に退職。介護保険がスタートし、1年が過ぎた頃、育児に時間の余裕が出てきたことをきっかけに介護業界へ。パートにて訪問介護・訪問入浴を経験し、その後療養型の施設に勤務しケアマネジャーの資格を取得。現在は地域密着型特定施設入居者生活介護事業所ゆうの施設長を務め、施設の運営や管理をすると共に介護支援専門員も兼務し、日々ご活躍中。
今回は地域密着型特定施設入居者生活介護事業所ゆう、施設長の佐々木エリカさんにお話を伺いました。
- いきいき:普段のお仕事の内容をお聞かせください。
- 佐々木さん:普段は施設の運営や管理、介護支援専門員の仕事も兼務しています。小規模多機能や施設のケアプランを作成していますので、在宅と施設の両方をマネージメントしています。
- いきいき:綺麗な施設ですね。始められてどれくらい経つのでしょうか。
- 佐々木さん:平成24年3月30日にオープンしました。私は開設1年後から勤務させてもらっています。
- いきいき:勤務以外での介護業界との接触や活動などがございましたら、教えてください。
- 佐々木さん:個人で参加しているものですが、今は全国的になっているDFC(NPO認知症のフレンドシップクラブ)というのがありまして、函館支部で他のケアマネジャーさんと一緒に活動させてもらっています。
このフレンドシップの中でラン伴という、たすきを全国につなぐというものがありますが、3年位前からホームの前を中継地点として使っていただいてます。平成28年は、当施設の利用者さんである認知症の方々と、一緒にたすき作りをしながら参加するということで、テレビの取材なども来て「イチオシ!」という番組で紹介していただきました。 - いきいき:ラン伴の運営自体のお手伝いもされつつ、走ることにも参加されたということなのですね。
- 佐々木さん:その他にも、前回インタビューされていた佐々木恵さんもメンバーなのですが、函館市内と近郊の方々の有志で、福祉未来の会という会を作り、自分たちが勉強したい事などを、専門の講師の先生をお招きし、年二回、講演やトークライブというような形で開催しており、一般の方にも知ってほしい事もありますので、そういう働きかけのできる機会を作るためにメンバーの方々と活動しています。
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- いきいき:講演やトークライブ等で、一般の方々のためになるな、というお話がありましたらひとつ教えてください。
- 佐々木さん:平成28年に行った中で、若年性認知症の方にお話をしていただいたのですが、実際に一般の方もたくさん来てくださいました。この方はトヨタ自動車に勤められている方ですが、ご自身の病名が診断されるまでの間、いろいろ病院を巡ったり周囲の理解を得ていく中で、会社ぐるみのパックアップで、今もお仕事を続けられているというお話を伺いました。
若年性認知症についてご本人の話を聞ける機会というのはなかなか無く、実際に30代の方が函館に来てお話してくださるということは、理解を深めるきっかけになったのかなと思います。 - いきいき:高齢者に限らず若い方にも是非来ていただきたいですね。
- 佐々木さん:今、介護支援専門員、ケアマネジャーになりたいという若手がいらっしゃらないんですよね。いろいろな所でケアマネジャーの研修会などをやっていますが、一般の方々が足を運んでくれる講演の機会を多く作ることによって、介護支援専門員や介護の仕事について「なりたいな」と思ってもらえれば良いと思います。
日本介護協会でやっている、介護甲子園というものがあって、参加している介護福祉士の方がすごくキラキラしているんです。自分たちの夢や目標をきちんと持っていて、そういう方々が身近にいて憧れの先輩などができると「自分もああなりたいな」と思えると思います。 私自身が施設の中に入ってみると、こういう先輩になりたいと思える人材が乏しいのかなと思う時があります。 高校生の進学説明会に行くと、その中でも「力が弱いのかな、介護業界」という感じがしていますね。 - いきいき:説明会のみで魅力を伝えるのは難しいですよね。若い方々が実際に介護をしてみて、自分たちが良さを見つけて感動できるような機会があると良いですね。
- 佐々木さん:今、函館市内の小学校はノーマリー教室といって、特養や高齢者施設の見学などをしています。実際、桔梗小学校さんに何回か来ていただいた事があって、その時に高齢者の特徴や福祉用具の説明をしました。今、高齢者の方と同居している子どもは少なく、一緒に楽しくゲームをしたりする等、触れ合う機会を持つことによって「おじいちゃんおばあちゃんって優しいんだな、こういう仕事もあるんだな」ということを学ぶことは本当に大事だなと思います。
日中私たちの世代は外に出ていて、街の中にいるのは子どもと高齢者です。そこでお互いに優しい気持ちで見守っていくという視点は、子どもたちにも必要ですし、高齢者の方たちは元々そういう視点をお持ちだとは思いますが、そこがうまく繫がっていくと、本当に安心できる街になってくるのではないかと思います。 - いきいき:この業界で働くことになったきっかけを教えてください。
- 佐々木さん:私は以前、准看護士として市内の病院に5年ほど勤めていましたが、子どもができて退職しました。その後子どもが小学生になり時間に余裕が出てきたので、仕事をしたいなと思った時に、ちょうど介護保険が始まって1年くらい経った頃だったんです。福祉や介護の知識は全くありませんでしたが、興味を持ち、それがきっかけでパートで勤めた所が訪問介護や訪問入浴をやっている所で、その後療養型の施設に勤務してケアマネジャーの資格を取りました。
- いきいき:医療業界と介護業界、どちらも経験されて、何か気づかれた点はございますか。
- 佐々木さん:病院はインフォームドコンセプトといって治療方針なども話し合いながら決めます、という流れになっていますが、どちらかというとお医者さんが主導だと思います。でも介護保険というのは、あくまでもご本人を中心にしての選択になっていきますので、それが普段の関わり方などの中でも、やはり違うのかなと思います。
- いきいき:看護師の経験は介護において、すごく役に立つのかなと思います。
- 佐々木さん:そうですね、良いときもあれば悪い時もあるんですよ。実際お医者さんが忙しいのを目の当たりにしているから「こんな事で先生に相談して良いのかな?」と思う時もあります。でも利用者さんに必要なことであれば、相手が忙しいとか関係無く行っちゃいますけど(笑)。
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次回は引き続き佐々木さんに、この業界で気になることや今後の展望をお聞きしました。
地域密着型特定施設入居者生活介護事業所ゆう 施設長
介護付有料老人ホームゆう 施設長
小規模多機能ホームゆう 施設長
佐々木エリカ
函館生まれ、函館育ち。市内の病院にて准看護士として勤めていたが、出産を機に退職。介護保険がスタートし、1年が過ぎた頃、育児に時間の余裕が出てきたことをきっかけに介護業界へ。パートにて訪問介護・訪問入浴を経験し、その後療養型の施設に勤務しケアマネジャーの資格を取得。現在は地域密着型特定施設入居者生活介護事業所ゆうの施設長を務め、施設の運営や管理をすると共に介護支援専門員も兼務し、日々ご活躍中。
今回も引き続き佐々木さんにこの業界で気になることや、今後の展望などをお聞きしました。
- いきいき:介護業界で気になることや、もっとこうしたらということがあれば教えてください。
- 佐々木さん:介護業界とひとくくりにできないかもしれないですが、これからの高齢者世代を誰が支えるかと言うと、今の小さい子どもたちですよね。私たちよりも若い世代の人たちの今後の動向が気になっていて、児童の分野には興味を持ち始めています。
- いきいき:若い世代の人たちに、介護に関する教育をしていく、ということですか。
- 佐々木さん:そうですね、道徳の授業などでもいいので、介護・福祉など全般的なものをさらっとでも、小学生くらいの段階で授業に取り入れていったほうがいいのかなと思っていました。
- いきいき:小学校等の教育で、高齢者の環境を想定して、視界を削って重石を体に付けて歩いてみる疑似体験のようなものを聞いたことがありますが、そういう活動をもっと広めていってほしいということですね。
- 佐々木さん:そうですね。小学校のでカリキュラムのひとつとして、学校ごとにやるのではなくて、年に何度かでもいいので、そういう授業を行ったほうがいいと思いますね。
- いきいき:小学生の頃って、おじいちゃんおばあちゃんと遊ぶことも多いので、その時期に「おじいちゃんおばあちゃんって実はこんなに大変なんだよ」というのを教えてあげると実感しやすいかもしれないですね。
- 佐々木さん:函館は高齢者が増えていく地域だと思うので、子どもたちにやさしい気持ちを持ってもらえるように、普段の勉強も大事ですが、心の教育も大事なのではないかなと思いますね。
- いきいき:素人である私自身が、はたしてどこまで介護できるかという話になると、確かにそういう教育も大事だなと思いますね。
- 佐々木さん:私たちはこういう仕事をしてきているから、お年寄りが歩いていたらあれ?となるかもしれないけれども、“地域で支える”ということを言うのであれば、まだ無関心のひとが大半。私もまだ勉強中ではありますが、国がやろうとしていることが地域に浸透するには時間がかかると思うんですよね。実際現場に携わってる人たちは、これからとても苦労するのではないかなと思います。
子どもが減ってきている中、これからのちびっこたちの活躍は不可欠なので。自分の世代の為ではないけれども、私たちがおじいちゃんおばあちゃんになった時に、支えてくれる子どもたちに、なんとなくでも子どもたちにも未来を見てほしいと思っています。
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- いきいき:こちらでお仕事されていて、うれしかった事、つらかった事などあればお聞かせください。
- 佐々木さん:楽しい事は、訪問先で長くお付き合いさせていただいている方と、普通におじいちゃんおばあちゃんとお話しているような、そういう会話がある時は、ああ楽しいなとか、年の功だなとか思うことがあります。「待ってたよ」とみなさん良くしてくれますので。
あとは、皆さん理由は様々ですが最後は離れることがあるので、その時に「ケアマネジャーがあなたで良かった」と言ってもらえると、うれしいです。
一番うれしかった事は、ここの事務所を開設した時、ケアマネジャーの経験がまた一年たらずの上、一人ケアマネだったので、手探りでやっていて、間違いだらけの事とか、仕事の約束をすっぽかして別の事をやっていたりとか、たくさん失敗しながらも先輩や上司に教えてもらいながら仕事をしていたですが、その当時から担当しているおばあちゃんがいて、「あなた成長したよね」「がんばってるね」「あなた変わったよ」と言われたときは、目の前で号泣してしまいました。 - いきいき:一人ひとりとのお付き合いが長くなるから、その分、おばあちゃんの方がずっと見守っていてくれたんですね。
- 佐々木さん:私がおばあちゃんのところに行くと「待ってたよ」と言ってくれるんだけれど、おばあちゃんは逆に私のことを本当のおばあちゃんのように見守っていてくれたんだなと思った時、本当にうれしかったですね。
- いきいき:こういう経験はなかなかありませんよね。
- 佐々木さん:ケアマネジャーとして「よかった」と褒められる事はあっても、そのおばあちゃんが言ったのはまた別の意味合いというように私は受け止めたので、頑張って良かったな、というのはありました。
- いきいき:いきいき60+をご覧になって、いかがでしたか。
- 佐々木さん:一覧で探すと、最初の何社かは4つくらいに分かれて詳しい情報が見られたので、それはすごくわかりやすいと思いました。あと、一般の不動産屋さんにつながるようになっていて面白いなと思って見ていました。
- いきいき:ちなみに、もっとこうしたらという点があったら教えていただけますか。
- 佐々木さん:できれば載っている会社すべてに詳しい情報が載っていると、すごくいいなと思います。
- いきいき:最後になりますが、プライベートでの過ごし方を教えてください。
- 佐々木さん:休日は家のお掃除をまとめてやったり、ご飯支度をしたり、あと本を読むのが好きなので、夜落ち着いたり休みの日は本を読んでその世界に入り込むのが楽しいです。
- いきいき:どういうジャンルの本を読まれるのですか。
- 佐々木さん:刑事さんが出てくる、殺人事件や、ミステリーとかサスペンスなどです。一番好きな作家さんは、東野圭吾さん。大好きなんです。あとは宮部みゆきさんとか。その他興味をそそるようなタイトルがあれば読みます。最近だと64(ロクヨン)という映画の本を読みました。基本的に休みの日は休みたいのでひきこもりです(笑)。家でゆっくりするのが好きなんですよ。
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これからの高齢者社会、関係のない人間は誰一人いなくて、全員で力を合わせていかなくてはいけないと、改めて勉強になりました。
居宅介護支援事業所のぞみ
管理者・主任介護支援専門員(社会福祉士)/
佐々木恵
松前生まれ。中学生のころにソフトボールで活躍し、スポーツ特待生として大妻高校に入学、函館に移り住む。卒業後、福祉科で学んだ知識を元に、特別養護老人ホームに勤務。現在は居宅介護支援事業所のぞみの管理者を務める。その傍ら、介護業界の行く末を考え、ケアマネジャーネットワーク函館の副会長及び事務局を務め、研修会や理事会に参加する等、日々ご活躍中。
今回は居宅介護支援事業所のぞみ、管理者の佐々木恵さんにお話を伺いました。
- いきいき:普段のお仕事の内容をお聞かせください。
- 佐々木さん:普段は高齢者の方のご自宅を訪問して、お元気で過ごされているかですとか、サービスを問題なく利用できているかとか、普段のちょっとした日常会話などを楽しんだりしています。
- いきいき:こちらの介護支援事業所はお一人でやられているのですか?
- 佐々木さん:他に男性と女性のケアマネジャーが一名ずつおりまして、全部で三名です。
- いきいき:勤務以外での介護業界との接触について伺います。ケアマネットに所属されているとお伺いしておりましたが、どのような活動をされているのですか?
- 佐々木さん:ケアマネットの副会長と事務局を勤めさせていただいてます。具体的な活動は、当会で企画した研修会の案内や、他の団体からの研修会の案内を会員さん向けに周知したり、理事会を定例でやってるので、その発信などをしています。これからの時期は研修会が多いので、普段の仕事と同時進行していると、大変だなと思うこともありますけれども、先輩から引き継いでいますので全力で参加しております。
- いきいき:そのほかに介護業界との接触はありますか?
- 佐々木さん:日本縦断のラン友というたすきを繋ぐリレーマラソンには、一回目から先輩に誘われて参加し、今年も7月18日に先輩の所属チームに参加して走りました。 あとはケアマネットつながりですが、NPO祭りというのが毎年まちづくりセンターで開催されていて、 ケアマネットは子ども向けに射的を準備し、ケアマネットという名前の周知イベントと言う形で行いました。これも7月31日に終わったばかりです。
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- いきいき:夏祭りという感じですね?
- 佐々木さん:そうです。だいたい7~8月に市内のNPO団体に声がかかって、毎年行っています。
- いきいき:以前ケアマネットの渡部さんから、ラン友について伺ったことがあるのですが、みなさんご一緒に参加されているのですか?
- 佐々木さん:そうですね、先輩たちから声をかけていただき、参加することになりました。
- いきいき:職業柄たすきをつなぐというか、そういうものが好まれているのかもしれませんね。
- 佐々木さん:そうですね。だんだん知名度も上がってきていて、今年は比較的ニュースで取り上げられていました。普段走っていない中、練習もする時間もなかったのでぶっつけ本番で、毎年怪我をせずに走ることができています。
- いきいき:この業界で働くことになったきっかけを教えてください。
- 佐々木さん:私は大妻高校にスポーツ特待で入学したのですが、中学校の進路指導の先生から福祉科を薦めていただいたのが、福祉との出会いです。大妻高校の先生のアドバイスにより、卒業後は、特別養護老人ホームに勤めたのですが、働いているうちに、この仕事の魅力に気が付きました。
- いきいき:「高校の福祉課」とはあまり聞かないですよね。
- 佐々木さん:そうですね。大妻高校福祉課は、当時唯一卒業と同時に介護福祉士の国家資格を受験できる学校で、私が入学した時点で先輩が何人もいらっしゃいました。
- いきいき:特養の後にこちら(居宅介護支援事業所 のぞみ)で勤められているのですね。どういったご縁があったのですか。
- 佐々木さん:以前勤めていた特養が恵山にあり、函館から通っていたのですが、結婚・出産して遠距離の通勤が難しくなり、退職しました。その後、居宅介護支援事業所の開設されるということで、開設からこちらでお世話になっています。
- いきいき:特養では何年勤めていたのですか。
- 佐々木さん:高校を卒業してから、約8年間勤めました。在籍中にケアマネジャーの資格を採ったので、最後の1年ほどは老人在宅介護支援センターというセンターで、ケアマネジャーとして相談業務をしていました。
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次回は引き続き佐々木さんに、この業界で気になることや今後の展望をお聞きしました。
居宅介護支援事業所のぞみ
管理者・主任介護支援専門員(社会福祉士)/
佐々木恵
松前生まれ。中学生のころにソフトボールで活躍し、スポーツ特待生として大妻高校に入学、函館に移り住む。卒業後、福祉科で学んだ知識を元に、特別養護老人ホームに勤務。現在は居宅介護支援事業所のぞみの管理者を務める。その傍ら、介護業界の行く末を考え、ケアマネジャーネットワーク函館の副会長及び事務局を務め、研修会や理事会に参加する等、日々ご活躍中。
今回も引き続き秋野さんにこの業界で気になることや、今後の展望などをお聞きしました。
- いきいき:では介護業界で気になっていることや、こうなったらいいなと思う事がありましたらお聞かせください。
- 秋野さん:ケアマネジャーの資格というのは、実務経験5年を経て初めて受験ができるんです。若い世代の職員は当社にもたくさんいますが、最近はケアマネジャーの資格を取りたいと言う方に出会う機会が少なくなりました。私たちの責任というと大げさかもしれませんが、介護・福祉に関する広報活動が不足しているなと感じてしまいます。
今までは、ヘルパーさんなど直接介護をする方でもケアマネジャーの受験ができたんですけど、これからは変わりますよっていうことになっているので、受け入れ全体が縮小していく中で若い人の力はもっともっと必要になってくると思うんですよ。これは受験資格を緩和しようと言う話ではないんですけれどね。 - いきいき:最低5年はかかるんですね。
- 秋野さん:たまたま私は別の路線からこの世界に入りましたけど、最初はいろいろな人に迷惑をかけたと思うんです。
普段の業務や制度をきちんと理解するには結構な年月が必要なんだと思うんです。長さだけではなくて中身の濃さもあると思いますけれど、それを試験で選抜するのは難しいですから、5年やっていればとりあえずはわかっているでしょうというラインなんだと思います。
数年前はケアマネジャーの仕事をやりたいという方もいらっしゃった気がするんですけれどね。なかなか大変な仕事だと思いますし、でもその分得られるものもたくさんあるなと思って私は仕事をしています。もう少しこの仕事の魅力を伝えるアプローチを私たちからしていかないといけない気がしています。 - いきいき:ヘルパーやケアマネジャーのなり手がいないのが問題になっていますが、これ以外には何かありますか?
- 秋野さん:ケアマネジャー単体で見ても、介護業界で見ても、人材が枯渇ぎみです。
「介護=低賃金」だと皆さん思っていらっしゃると思うんです。実際否定できない面もあると思います。施設のスタッフさんは人の命を扱うのに、他の業種と比べて高いことはまず少ないですし、良くて同じ位かそれを下回っているんです。これは人ひとりに入ってくる収入上限が見えてしまってるので、定員があって、ある程度ここまで埋まっているので「じゃあこの人たちのお給料を毎年上げましょう」では経営者からしてみれば難しいです。なので国でも何か対策を考えてほしいです。
これからの時代、団塊の世代が後期高齢者になる時代に向けて。今までのようにこの制度を続けるために「ここでお金を減らします」ってどんどん切り捨てていったら何も残らないのでは?と思い危惧するところなんです。何か根本的なところで変えて行かないと。それが何か?なんだ?って言われるとちょっとすぐには答えられないですけどね。
やっぱり絞られるのはだれも良い印象を受けないですよね。今までできたのに、できなくなりましたというのも印象としては最悪なので。ひどいときには、「あんたになったからこれができなくなった」って言われたりすると心苦しくなります。それは制度の関係なんだけどなって思ったりしますが、それをご理解いただくのは難しいかもしれません。特に包括センターでは多いかもしれないですね。要介護から要支援になってサービスの絶対量が減って、担当がもともとのケアマネジャーさんから包括になってあんたが担当になったらヘルパーさんの回数が減らされたなんていわれたら困りますよね。
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- いきいき:利用者さんにはなかなか説明してもご納得いただけるかどうかわからないですよね。
- 秋野さん:箱ものは作る時代ではないかもしれませんね。実際に最期は家で暮らしたい利用者さんの願いがある以上、それに向かって行くのはもちろんいいことだと思います。それは家族との関係も含めて全員が全員に当てはまるわけではないと思っていて、そこは一人一人をうまく按分できるような制度が大事かなと思います。そういった意味ではサ高住はこれからもっと需要が増えてくるかなと思います。箱ものの数は決められているのに、高齢者の数は増えていくのでミスマッチは絶対起きてくるでしょうから。中間層を支える機能としてサ高住は重要かもしれないですね。
- いきいき:お仕事をされていて、うれしかったこと、つらかったことがあればお話しいただけますか。
- 秋野さん:私は比較的楽観的な性格なので、その状況の中では楽しく過ごせると思いますが、何かあるかなと改めて考えてみると、利用者さんのお宅にお伺いした際に、お客さんとして扱われなくなったらちょっとうれしいなと思います。
「ケアマネジャーがいないとサービスを受けられないでしょう」って勘違いされてる方も多いですが、実は制度上は自分で書類を作って市役所に持っていけば、サービスは受けられるんです。私を持ち上げてもらう必要も全くないですし、なので極端な話ですけど「いやいや、いつもお世話になっているあんたがいるから」って言われる位だったら「また来たの」位の方がこっちとしてはうれしいですよね。
大変な時期を乗り越えてこの便利で住みやすい日本を作ってきてくれた方々なので、もちろん私たちは尊敬の念や敬意を払いつつ対応しますけど、向こうから敬意を払っていただく必要はないので、普通に生活の中にちょっと入りこめた時のほうがうれしさを感じるかもしれないですね。 - いきいき:あまり意識せずにお話してもらえる感じでしょうか。
- 秋野さん:そうですね、自然とお話ししてもらえてる時に、受け入れられてるんじゃないかなと思う事が多いです。言い方が悪いかもしれませんが、結局受け入れてもらったなと思うときが一番うれしいですね。
- いきいき:つらかったことはありましたか?
- 秋野さん:担当していた方が亡くなったとか、あとは何かしら施設に入るとか長期入院等で支援が切れた時に、支援が切れた事ももちろんですけど、もうちょっと何かできたんじゃないかなとか後悔するのは何回経験しても減らないのかなと考えてましたね。
これで完璧と思ったら負けな仕事だと思っているので、私個人としては、やってるときは完璧だとは思わずに一生懸命やらせてもらってるつもりですが、利用者さんと合意の上でこうして行きましょうとなっても、実際高齢者の方の生活が大変になると、もうちょっと違う目線があったんじゃなかったかなと思う事は都度あります。それがもっと勉強しようとする動機づけになっているんだと思うんです。 - いきいき:絶えず勉強が必要なんですね。
- 秋野さん:なかなかゴールは無いですよね。頂上のない山を登っている感じなんですね。でも登っているのがちょっと楽しいかもしれないですね。
それプラス、私たちは今もそうなんですけれど、諸先輩方におんぶに抱っこでいろいろお願いしたり、相談したりさせてもらっているんですけど、若い人たちがこの業界に入ってきたら、いずれ自分たちが先輩方の立場にならないといけないですが、20年後かもしれませんし、もっと先かもしれませんし、もしかしたらならないかもしれませんけど、いざそうなった時に教えてもらったことや経験させてもらった事を、フィードバックできるようにもっともっと力をつけないといけないですよね。
介護の制度が今で16年。この制度が長生きして、循環させていかないと、いつまでも諸先輩方が現役でバリバリやってくれているわけではないでしょうから、それに備えていく必要があるのかなと思いますね。 - いきいき:今後どのように進んでいくでしょうか。
- 秋野さん:医療と違って介護はまだ若い制度なので、循環が起こってないのかもしれないのかもしれないですね。なのでこれから10年、20年経ったときに、ある程度循環できるシステムっていうのは今の内にやっておかないといけないですよね。諸先輩方から我々を経由して次の世代に、という流れを今のうちに作っておかないと後で気づいたときには手遅れになるのは困りますからね。
業界としては若い世代の底上げがないと先々大変ですから。
介護業界のアピールが足りないかもしれないですね。多分みんな優しすぎるかもしれないです。もう少しアピールがあってもいいのかもしれないですね。 - いきいき:いきいき60+についてはなにかご意見とかありますか。
- 秋野さん:付帯サービス(併設サービス)がもっとしっかり掲載されているといいかもしれないですね。そうしたら、そこでの生活が想像しやすいかもしれませんね。私たちが理解できればご説明もしやすくなりますし。ここだったらヘルパーさんいらっしゃるから安心でしょ、とか病院がくっついてるんだ、とか。
- いきいき:今も掲載している部分もありますが、よりわかりやすく、ということですね。
- 秋野さん:意外と高齢の方は外観よりも付帯サービスの方が気になってるかもしれませんね。後は金額との折り合い、場所でしょうね。もちろん見栄えもありますから写真も必要と思いますが、私たちも付き合いのあるところはわかっているのでいいんですけど。見たこともないところや、あまり関わりの無いところは私たちもわからないので掲載されていると助かります。
- いきいき:では、最後になりますが、お休みはどんな風にお過ごしでしょうか?
- 秋野さん:子どもがいるので、休みは基本的に家族と過ごすことが多いですね。頻繁にどこかに旅行に行ってというよりも、市内をぐるぐる回ってる感じですね。
あと、体を動かすのが結構好きなほうなので、今も函館の社会人サッカーリーグに所属しています。他の会社のソフトバレーの練習に参加させてもらったり、介護職の方々が月に一回サンリフレで体を動かしてますので、それに参加したりしてます。
その他は結構本を読むのも好きなので、推理小説を家で読んだりしています。今なかなか時間もないので、少しずつですが、読み進めています。 - いきいき:お忙しいですね。サッカーは学生のときからやられてるんですか?
- 秋野さん:いや社会人になってからですね。学生時代はいろんなものを少しずつですね。小学生のときは野球をやって、中学高校はバスケットをやっていたんですけど、高校が小樽商業っていう女子がすごく多くて男子が少ない学校だったんです。なので、部活を掛け持ちしていたんです。バスケット部がメインだけどちょっとサッカー手伝ったりとかしてましたので、そういった面では、ちょっとは経験あるといってもいいかも知れないですね。
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何の仕事をしていても、理解しようとすることはやっぱり大事だとあらためて感じました。秋野さんお忙しいところ長時間本当にありがとうございました。
テーオーケアサービス
管理者・主任介護支援専門員(社会福祉士)/
秋野航太
小樽生まれ、小樽育ち。現在テーオーケアサービスの管理者・主任介護支援専門員を務める。
学生時代に行っていた児童養護施設のボランティアがきっかけで、保育や福祉について学習する。その後、障がい者施設に勤めながらケアマネジャーの資格を取得し介護業界に入る。現在は、地域にお住まいの高齢者に対するケアマネジャーとして働く傍ら、介護業界の未来を考え、実地動向型研修等さまざまな活動に参加し、日々ご活躍中。
今回はテーオーケアサービス、管理者の秋野航太さんにお話を伺いました。
- いきいき:早速ですが、普段のお仕事の内容を教えてください。
- 秋野さん:当事業所と契約いただいている高齢者に対するケアマネジャーとしてのお仕事がメインになります。具体的には介護保険をご利用中で、私が担当させていただく方を定期的に訪問して、生活状況、介護保険サービスの利用状況の確認や、相談いただければ「介護保険のサービスで〇〇のお手伝いはできますよ」など、ご紹介をしています。あとは実際にサービスを利用する方へのサービス調整や、先方の事業所との契約までのお手伝いなどがメインです。
その他は新規申請と言って、まだ介護保険を使っていない方のご相談を受けたりします。その時は地域の包括センターと連動しながら新規申請をこちらでお手伝いすることもありますし、それに伴う介護保険のご説明などがあります。 - いきいき:直接こちらにご相談に来られる場合もあるんですね。
- 秋野さん:デイサービス併設の事務所なので「こちらのデイサービスを利用したいんだけれども、どうしたらいいですか?」と言うご相談は年に1~2件あります。
- いきいき:国道沿いに大きな看板がありますから目立ちますね。
- 秋野さん:実際に利用されてる方から評判を聞いて利用したいと言ってくださる方もいらっしゃいます。
- いきいき:相談に来られるのは、ご本人さんですか。
- 秋野さん:こちらに来られるのはご本人様よりご家族の方ですね。お一人で生活されてる場合は包括センターがもちろん把握していますから、包括センターでやっていただいていると思います。私たちが1件1件ご家庭をまわって把握するのはなかなか難しいです。
- いきいき:包括センターとの協力のもと、成り立っているのですね。その他どのようなお仕事になりますか。
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- 秋野さん:居宅介護支援事業所の管理者もしています。私を入れて5人のケアマネジャーがいますので、みんなで力を合わせてお仕事しています。また、立場上管理者なので、他のケアマネジャーさんから相談を受けた場合は、私の答えられる範囲でお答えします。
- いきいき:介護保険制度が施行されてからしばらく経ちました。利用者さんからのご意見、ご感想はありますか。
- 秋野さん:今の高齢者の方々は大変な時代を過ごされていますよね。戦中戦後の時代を生きてこられましたから、人にお手伝いをしてもらうのは「申し訳ない」って言う表現をされる方がたくさんいらっしゃいます。その中で、ギブアンドテイクではないですが、「私たちが施しをしているわけではない」とお話をするんですけど、ある程度理解を示してくださる方もいらっしゃいます。その反面「ちょっとかゆいところに手が届かないんだよ」とお話しされる方もいらっしゃいます。
例えばヘルパーさんであれば、「ここは掃除できるけれどここはだめだよ」や「ここは雪かきするけれど、ここはできないよ」など、私たちは制度の中で仕事をしているので、なかなかそれを飛びこしてできないんです。まだ完全に利用者さんを支えられる制度ではないですよね。それらの面で地域のボランティアや、ご近所さん付き合いが今まであったんですが、だんだん希薄になってきましたよね。そういった意味でももう一度濃くして行く必要があると思っています。 - いきいき:本当にご近所付き合いが希薄になった感じがします。昔は隣やもう一軒隣のお家でも何かあったときにはすぐに情報が入ってきていたものが、今ではわからないですよね。
- 秋野さん:「プライバシー保護」といいますけど、なんでもかんでもと言うわけにはいかないです。私が子どもの頃は家族構成から何から何まで知られていましたけどね。
- いきいき:仕事以外では、どの様な活動をされていますか。
- 秋野さん:昨年度は松野会長や渡辺副会長がいらっしゃるケアマネジャーネットワーク函館の理事を任せていただき、ケアマネジャー向けの研修の企画や運営をお手伝いさせていただいています。その他には案内が来た研修に予定が合えば参加する感じですね。
北海道介護支援専門員委員会と言う大きな団体が主催している実地動向型研修に参加しました。これは、社外の比較的経験が浅いケアマネジャーと、主任ケアマネジャーとがペアになってお互いの利用者さんの所へ一緒に訪問して必要なアドバイスをすると言う研修で、札幌に行って指導のための研修を受けて、地元へ戻って他社のケアマネジャーさんと4回位お互いの利用者さんのところを行ったり来たりして最後にセッションをしてアドバイスさせてもらったりしました。函館からの参加は4名でしたが、アドバイザー役としてお手伝いさせていただきました。 - いきいき:日頃お付き合いのあるケアマネジャ-さんの見落としがちな視点や発見がありそうですね。
- 秋野さん:もちろんそれも期待されているでしょうけど、メインは私たちのように4人も5人もいる事業所もあれば、研修や他の方からのアドバイスを貰う機会がなかなか少ない、お一人で運営されている事業所も結構ありまして、国としてもOJT(実地訓練)的なイメージでできる制度をこれからやっていきたいということで、モデル事業の一環としてやっています。
実は以前、アドバイスを受ける立場でこの研修を受講していました。今回はそれなりに年数も経ったので「アドバイスをする立場で研修を受けてみない?」とお誘いを受けたので力不足ながら参加してきました。 - いきいき:なんだか新鮮な感じがしますね。
- 秋野さん:そうですね。本当にお互い初めてですし、そこそこ緊張するんですが、自分の担当する利用者さんに他のケアマネジャーさんが来ると、ものすごく緊張しますね。利用者さんも「あれ、普段とちがうね。」みたいな感じになります。
まだ制度としては確立していないんですけど、どの様に運営していくか、国でも試行錯誤している段階だと思います。今後は正式な制度として、ケアマネジャーの試験に合格した方に、この研修を受けてもらってはどうかという動きは出て来ているみたいです。 - いきいき:以前に私共がインタビューさせていただいた中にも、お一人で事務所を運営されている方もいらっしゃいました。研修などになかなか参加できなくて他の方の意見などが聞けないので何とかしたいと思っているとお話になった方もいらっしゃいました。
- 秋野さん:試験に合格して、はじめてケアマネジャーをやって、一人で事務所を開かれる方もたくさんいらっしゃいます。そうなると右も左も分からなくなった時に聞くに聞けないと言うことは少なからずあると耳にします。
まだまだ足りない部分はありますが、うまく制度にもっていってもらえれば、これらの研修を繰り返すことで主任ケアマネジャーにも、アドバイス受ける方々にも力になっていくと思います。 - いきいき:この業界で働くことになった経緯を教えていただけますか。
- 秋野さん:実は介護業界に関わったのは私がケアマネジャーの資格を取ってからなんです。始めての介護業界がいきなりケアマネジャーなんです。
もともと、私の地元は小樽なんですが、児童養護施設のボランティアを学生の頃やっていて、児童養護施設に勤めたいなと思っていました。保育士の資格が欲しくて学校に行ったんですけど、その中で福祉も少しかじっていたんです。
当時は就職氷河期といわれていて、なかなか狭き門で児童養護施設への就職枠がありませんでした。それでたまたま実習で知的障がいの施設に何回かお邪魔していたので、視点を変えて障がい者施設に勤め始めました。
その後、高齢の方が徐々に増えてきたのをきっかけに、当時は知的障がいの施設でもケアマネジャーの試験は受けられたので、介護の資格を取ってみようと思ったんです。合格してせっかく資格も取ったから介護業界に入ってみようと、ケアマネジャーをやってみようと思いました。
以前住んでいた古平から、なんとなく暖かい地域で暮らしたいなと思っていて道南の方に流れてきたんです。最初は森町だったんですけど、徐々に徐々に南へ移動して、その後は北斗市で、今は函館です。でも海を渡る気はないので、ここで最後だと思いますけどね。最初は右も左もわからなかったので今思えばよく決断したなと思いますね。 - いきいき:実際にケアマネジャーのお仕事を始められて、どの様に感じましたか。
- 秋野さん:やりがいを感じつつ、確実に学生時代よりも勉強してます。制度変更に対応するための勉強もありますが、もっと自分のスキルを充実させるためでもあります。それをフォローするため勉強や研修で、確実に日々勉強だなと思います。
- いきいき:介護保険制度も頻繁に改正されますから、それを追いかけるだけでも大変ですよね。
- 秋野さん:そうですね。前の解釈を変えるということもありますし、分かっていないと結果的に利用者さんに迷惑をかけてしまいますので。私が困る分には全然かまわないですけど。利用者さんを困らせるわけにはいきませんから。知識はずっと身に付けて行かなければならないと思います。
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次回は引き続き秋野さんに、この業界で気になることや今後の展望をお聞きしました。
テーオーケアサービス
管理者・主任介護支援専門員(社会福祉士)/
秋野航太
小樽生まれ、小樽育ち。現在テーオーケアサービスの管理者・主任介護支援専門員を務める。
学生時代に行っていた児童養護施設のボランティアがきっかけで、保育や福祉について学習する。その後、障がい者施設に勤めながらケアマネジャーの資格を取得し介護業界に入る。現在は、地域にお住まいの高齢者に対するケアマネジャーとして働く傍ら、介護業界の未来を考え、実地動向型研修等さまざまな活動に参加し、日々ご活躍中。