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インタビュー

快適な生活スタイルをコーディネイト

今回はケアマネジャーネットワーク函館の副会長であり、居宅介護支援事業所 アニーで、介護支援専門員としてご活躍されている渡部さんにお話を伺いました。

いきいき:居宅介護をわかりやすく教えて頂けますか?
渡部さん:手続き上の事からご説明すると、介護を受けたい方は函館市等の窓口に申請が必要になります。要支援1・2などの認定を受けて、まず地域包括支援センターでケアプランの作成から始まります。
主旨としては、住み慣れた所でできる限り自分の能力を活かしつつ、介護サービスなどの支援を頂いて快適に生活をする、生活トータルをコーディネイトするということですね。
本人がこういったことを望んでいる、となるとそういった望みに合うサービスを提供するという感じです。
いきいき:よく文章などでは、居宅介護と在宅介護と言葉が2つ出てくるものがあるのですが、違いというのはあるんでしょうか?
渡部さん:無いと思います。あくまでも自分の住んでいるところで介護サービスを受けるということで、居宅・・それが在宅介護という形になるんですけれど、括りは一緒ですね。
いきいき:では、在宅の方で居宅介護支援事業者さんでサービスを受けたい方は直接来られるのでしょうか?
渡部さん:直接というより、やはり大部分は地域包括支援センターさんで、要介護1・2になったので・・・とかですね。あとは病院さんからが多いです。入院中に支援が必要な状況で手続きをされて、お願いしますという感じです。あとは様々ですが関わった家族から、今度はおじいちゃんなんですとか、そういう事などもありますね。
実際、今まではどこに相談をすればいいのか判らない方が多くて、介護や福祉などを大きく宣伝しているような所へ行くというのが多かったようです。
今、函館市では地域包括支援センターがあります。市内に6箇所ありますのでそちらで対応しています。

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いきいき:この業界に入られたきっかけは?
渡部さん:そもそも私は薬品類とか試薬などの営業だったんですね。研究機関だとか、病院の臨床検査室などへ薬を売るのが仕事だったんですが、その会社がこういった介護福祉系の仕事を始めるということで、まったく新しく部署を作るということになりそちらへ移りました。直接何かというより、福祉部という形で相談員業務から始めたのですが、業界用語とかさっぱりわからない状態でした。皆さん「生保」って言うんですけど、今までの一般常識の中では「生保」と言えば「生命保険」だったわけです。なんで「生命保険」が介護に関係するんだろう?と思っていたら、介護福祉系の中では「生活保護」だったり、施設なども「特別養護老人ホーム」と「老人保健施設」てあるんですが、それの違いとか、「デイサービス」と「デイケア」の違いですとか、そういうことがまったくわからない状態でした。
いきいき:よろしければ、どう違うのかいくつか教えて頂けますか?
渡部さん:極端に言うと、お医者さんがいるのかいないのか。ですね。医療に関わるサービスを提供するのが「デイケア」とかそういうのなんですけど、医者がいて、リハビリの先生がいて、リハビリをする。というのが「老人保健施設」であり、「デイケア」であり。と、かたや「特別養護老人ホーム」とかは終の棲家で、寝たきりになっても最後まで支援致しますという所で、「デイサービス」は医者やリハビリの先生は居なくとも、日々の運動であったり、ゲームであったり、歌ったりとか、お風呂に入ったりとか、そういったサービスを提供する所ですね。
いきいき:この業界に入られて何年ぐらいでしょうか?
渡部さん:10年以上、15年位でしょうか。
最初の頃何人か配置換えになって、未経験者ばかりでしたがわからない事や知らない事を聞くのは全然抵抗が無かったですね。前の時も偉い先生を前に仕事をしているわけですから、自分がわからない事を聞くのは普通だったので、まぁ聞いても判らなかったですけど(笑)そういう感じでみんなわからない事は聞いてお互い教えあったり、市役所の人に聞いたりとか、ケアマネージャネットワークに飛び込んで行ったりとかしてました。最初の職場のときに平成13年にケアマネージャーの資格を取って、平成16年に退職して居宅介護支援事業所に移ったんです。平成17年に急にそこの事業所は閉めることになって、じゃあ辞めようかなとも思ったんですが、自分の抱えている人達をどうしようか?となったときに、じゃあ1度人に使われないでやってみようかなと自分で始めてみたんです。平成21年位までは自宅で独りで活動していたんですが、そうやっているうちに、七重浜の居宅介護支援事業所から声が掛かったんです。で、そちらへ移って施設を全体的に見ていました。そこで2年ほど勉強させて頂いて、また自分でやってみよう。という事になり、今度はケアマネージャーだけでなく、ヘルパーステーション、訪問介護のほうも開始しました。そして今に至ります。
いきいき:ご自身で再活動されてから、3年が経過したわけですが、最初の頃と周りの状況が変化したと思うのですが如何でしょうか?
渡部さん:そうですね、大きい建物が増えましたね。サービス付き高齢者向け住宅も、老人ホームもそうなのですが、建物が増えましたね。10年位前から見ても、施設や住宅に入りたくても、入れるところが無いからご自宅で過ごしているという方、ご家族が大変な思いをして支援している方が、何年も耐えながら支援していた方がそれなりに多かったわけです。今では何件か聞いてみて、ここがありますよ。という情報が提供できるようになりましたね。以前はショートステイという何日かのお泊りでも、ちょっと身内にご不幸があって、遠方に行かなければならないけど、その間、おじいちゃんやおばあちゃんが宿泊できるのか尋ねてみても、空いてないという所が多かったんです。今ではもうそんなことは無くて、そういう意味では資源は沢山増えたなと思います。
いきいき:全体的に良くなってきたかな?という感じですか。
渡部さん:私個人的にいうとですが、ハードは増えたんですが、ソフトはどうなのかな?と思います。人的なものですよね。結局立てた建物の数だけ、介護する人は増えたのかな?と建物が増えた分、介護が出来る人が充分に増えていないと一人当たりに対する人数、サービスは逆に減っているのかもしれないです。怖いのはそういうところで事故があったりとか、そういう危険性が怖いと思っています。
いきいき:今までご経験なさった中で、辛かったことや楽しかった事などを聞かせて下さい。
渡部さん:この仕事って終わりが、亡くなるという形で終わる場合があって、そういうのが続くと満たされないというかそういう風に思ったりもします。逆にこの仕事をやっていると、高齢者の方や仕事の繋がり等ネットワークが広がりますね。仕事的な事を例に挙げると、前の営業時代の時は同業他社の人と話をしたり、飲みにいったりとか、そういったことは無かったですね。同じ立場の人がわっと集まって自分達の職場の事とか、悩みとかそういった情報を共有するというのは、この職種の特徴なのかな?と。
いきいき:みんなでスキルアップしていくという感じですね。
渡部さん:そういうことですね。不確定なものが出てくると、みんなで話し合って、そちらではどうやっている?というような感じですね。函館市では居宅介護支援事業所での集まりとかがあって、お医者さんと介護する人と、在宅医療をやっている人が集まって勉強をするとか色々あります。北斗市も介護支援専門員協会などがあります。
いきいき:当社が制作したサービス付き高齢者向け住宅専用サイト『いきいき60+』はいかがでしょうか?
渡部さん:情報として得られるものとしては、FAXなどで送られてくるものしかなかったり、誰かに聞いたりチラシでみたりでしか得られなかったりするのでいいですね。入居する方も、部屋の大きさだったり、食事の内容だったり、色々選択肢が必要になってきたときに、非常に便利かなと思います。

以前の職場で学んだスキルを活かして、未経験でも介護業界に参入していく渡部さんの生き様から、私たちもたくさん学ばせてもらいました! 渡部さん、お忙しい中ありがとうございました!

渡部 良仁

NPO法人 ケアマネジャーネットワーク函館 副会長 居宅介護支援事業所 アニー 介護支援専門員
函館市居宅介護支援事業所連絡協議会 幹事
北斗市介護支援専門員協会 幹事
北海道介護支援専門員協会 理事

渡部 良仁

居宅介護支援事業所 アニーで、介護支援専門員として勤務。昆虫が好きで松野会長とは昆虫採集仲間。ご自身で繁殖させたクワガタの子どもを松野会長にあげて、今年、さらにその子どもが帰ってきたとか… もう一つのご趣味はマラソンで、今年は認知症フレンドシップクラブのRUN TOMO-RROWにて、札幌~函館区間を補助する側として参加されます。

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