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良いスパイラルで繋がる<後編>

今回も引き続き長谷山さんにお仕事をされていて、うれしかったことや悲しかったことなどをお伺いしました。

    
いきいき:お仕事をされていて、うれしかったことや悲しかったことなど、何かエピソードなどがあればお聞かせいただけますか。
    
長谷山さん:楽しかったことと言えば、福祉の業界に身を置いて、いろいろな活動をしているからこそ、「沢山の人との交流ができること」かなと思うんです。嬉しかったことと言えば、相談職として、ここ(医療法人大庚会)に就職ができたことですね。臨床福祉専門学校を卒業する時、私以外の同級生はどんどん就職先が決まっていく中、私が一番最後まで決まらず、最後の最後に、卒業式の前にここの募集を受けてみたら採ってくれたんです。
それから12年経ち。ここでその後通信教育の大学と大学院も出させてもらって、他の福祉の教員免許や、福祉系の資格なども取らせてもらったんです。他で働く同級生の話を聞くとうちとは正反対のようなんですが、ここはあまり何も言わなくて、「勉強どんどんしなさい」という感じで上層部が言ってくれるので、好きなようにさせてもらってます。そんな環境で仕事に通じる勉強をさせてもらえることはとても感謝しています。
    
いきいき:会社の考え方の中に「人材が大事、人材を育てないと」という考えが明確にあるんですね。
    
長谷山さん:そう考えてくれているんだと思います。丁度今月も社会福祉士の試験や国家試験がありますが、ここでも社会福祉士の試験を受験する職員がいるので、今日の夕方から夜にかけて勉強会を開いて試験対策を行います。
効率がいいですよね。勉強させて、受験者に教えて、その人達が合格して、新たに若い職員が採用になって資格を取得して、効率良く資格を取得できるように、どんどんそのスパイラルを繋げていく考え方が。
そんな環境の中で勉強させてもらったことを今思えばここで良かったなと思います。

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いきいき:つらかったことはなかったですか。
    
長谷山さん:心の底からつらいと思ったことはありませんね。日々のこととか残業が少しあったり、書類がたまっていたすることもありますけど、その中でつらかったと感じることはなかったです。多分、過去にインタビューを受けられた皆さんもつらいことはないんじゃないかと思うんです。
    
いきいき:では次の質問ですが、「いきいき60+」について何かお気づきの点があればお聞かせください。
    
長谷山さん:サ高住は今どんどん増えてきていますよね。サービス付き高齢者向け住宅や施設だけの特集だけだと、福祉センターの職員とかはあまり見ないと思うんですよ。しかし現場で働く方のインタビューを繋げていくというのは良いと思いましたね。見てしまいますよね。この人は何を言っているのかな?とか、知り合いの人が出ていると何を言ってるのかな?とか。また、過去の記事を見るとじゃあその前の人はなんて言ってるのかなって。すると私の頭の中では施設を探している家族から相談が来た時に「いきいき60+」のホームページを見てみようと繋がっていくので、そのキッカケをつくるのが上手いなと思いました。

御家族から問い合わせがあった時に、一番質問があるのは経済的なものですよね。他は部屋の広さなんですが、それ以外となると例えば、高齢者の方が、「そろそろ高齢者下宿に入ろう」と考え始める時に、おじいちゃんやおばあちゃんのお家で話を聞くんですが、「こんなところもあるよ」ってパンフレットを渡すんです。「ああ、そうなんだ。今度行ってみたいな」ってなるんですけれども80歳や90歳の方が車を用意して運転するのも容易ではなくて、そんな場合でも私達の「公用車に乗せていくことは出来ない」というのが大原則なんです。施設があって、見学はいつでもOKっていうのはどこでもやってます。施設見学OKでも交通機関が無い人のために、行くにも足がないからどうしようという相談が増えてくるんです。その時にいつも思うのが、時間は予約制だけどその施設の車で迎えに行って、見学が終わったら送り届けるという施設が出てくれば、相談職とかケアマネさんとかが相談を受けて紹介する時に、「どっかいいとこないかな?」「こんなところ市内にあるよ」「ここだったら送迎無料で迎えに来てみせてくれるらしいよ」「じゃそこにしよう」ってなるんです。だから例えば他がやらない一歩進んだサービスをできる下宿さんがあれば、入居してる人がポンと部屋が空いた時にすぐに埋まって行くと思うんです。そんなことができる下宿さんがあるといいですよね。今の介護とか福祉って、お世話をすればよいという事から、高齢社会の中で高齢者の人達が望んでいる事や、高齢者の人達が希望するものプラスアルファでどういうところを満たしてあげるかという事を考えられる所じゃないと(我々も含めてですけれど)生き残れない気がしています。

デイサービスって今、函館では何十か所もありますけど、利用者さんが来て、使ってもらわないといけないので収益も考えないといけないですよね。あるデイサービスの職員さんから「利用者が来ないんだ、どうしたらデイサービスを選んでもらえるかな」と相談があったんです。よく体験利用ってありますけど、「お試し利用の時は料金をいただくんですか?」って聞いてみたんです。そうしたら、「食事代をいただきます」ってお答えだったんですけれど、「それは頂かなくてもいいんじゃないか?」って思うんです。そもそも一番最初のとっかかりの無料体験ですし、「見て頂いて来ても来なくても一回は体験無料ですよ。まずは現場をみてください」っていうのをやって行かないと、これからのデイサービスは選ばれるチャンスを逃しますよ。体験料を無料にすると利用者さんも「無料だからいいか」と来てくれるじゃないですか。『最初の垣根をどうやって崩すか』介護とか福祉の業種とか我々関係者はうまく戦略を練って行かないと高齢者に選ばれる施設(事業所)になって行かない。そこは何が喜ばれるのか、我々ももっと勉強していかないといけないんです。     
いきいき:たくさん施設がありますから大変ですね。
    
長谷山さん:私もアパートとか探すときに不動産屋さんを探すんですが。その時に不動産屋さんが「では現地集合で…」となる場合、現地集合で案内する不動産屋さんと、「事務所に来てください。会社の車で一緒に回りましょう」となった場合、一緒に回るほうにお世話になるんです。おそらく高齢者の方も同じで、見学はいつ来てもいいけど、自分達で勝手に見てくださいって言われるより、会社の車などで一緒に回ってあげたほうが心情的にもそっちを利用しますよね。もしそれをやっている施設さん等があったら「見学の時に相談してくれれば送迎します」とやってくれれば魅力がありますよね。
    
いきいき:では最後にプライベートの過ごし方をお聞かせいただけますか。
    
長谷山さん:基本的にダラダラしてます。読書したり、DVDを観たりしてます。あとはありきたりですけど、専門学校時代の友達とか後輩とたまに会ってご飯食べたりするのは好きです。その他に、サンリフレって体育館がありますけど、月に一回そこを借りて、自由にバスケをしたり、バレーとかバドミントンとか卓球をしたりランニングをしたりするんです。うちの会社だけではなくて色々な業種の介護職さんとか、ケアマネジャーさんとかが口コミで集まってきて皆おのおの集まって。顔も名前も知らない人もいるんですけれど、話をしてみるとどこかの施設の職員さんだったりするんです。そこでまた人と出会うことが楽しみですね。
適当に運動して遊んで、仲良くなって、仕事をしている時に、ちょっと困ったなって思った時にここで出会った人に相談してみるとうまく行ったなんてことがあればいいですよね。
    
いきいき:長谷山さん。今日は本当に長い時間ありがとうございました。
    
長谷山さん:こちらこそ、ありがとうございました。

何の仕事をしていても、理解しようとすることはやっぱり大事だと改めて感じました。
長谷山さんお忙しいところ長時間本当にありがとうございました。

長谷山哲平

高齢者あんしん相談窓口 地域包括支援センターこん
副センター長・社会福祉士・精神保健福祉士/

長谷山哲平

静岡県生まれ、北斗市育ち。現在地域包括支援センターこんの副センター長を務める。学生の頃、商業系の専門学校へ進学する学費を稼ぐため1年間限定で、まだ当時では少なかった福祉関係のアルバイトを始めるが、実際に仕事を始めると、人との関わりの面白さ、この仕事の奥深さを知ることになる。この時の経験が業界に入るキッカケとなり。今では会社からの応援があって様々な勉強ができて感謝しているとおっしゃる長谷山さん。介護福祉士試験対策の講師も勤め、後身の育成にも力を注ぎ日々ご活躍中。

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