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インタビュー

介護保険と本当のニーズ 前編

今回は指定居宅介護支援事業所ひなたぼっこの代表取締役としてご活躍中の中村さんにお話を伺いました。

いきいき:本日はお忙しいところありがとうございます。まず初めに、普段のお仕事の内容についてお聞かせいただけますか?
中村さん:「居宅介護支援事業所ひなたぼっこ」と「通所介護支援事業所ひなたぼっこ」、この2つの介護支援事業所を展開していまして、それらの責任者をしています。
いきいき:具体的なお仕事の内容を教えていただいてよろしいでしょうか?
中村さん:はい、居宅介護支援事業所では、ケアマネジャーの仕事もしています。ケアプランの作成や毎月の利用者さんとサービスを提供している事業者とのスケジュール調整等にあたっています。
いきいき:デイサービスも併設されているということですよね。
中村さん:そうですね、デイサービスでは主に運転手ですね(笑)。
いきいき:経営の方もされつつ、施設を使われている方との交流もされているということですね。
中村さん:そうですね、一応代表取締役ですけれども従業員としても働いています。

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いきいき:次に、このお仕事を続けていく中で、“楽しかった事”、反対に“辛かった事”などありましたら、お聞かせいただけますか?
中村さん:平成3年からこの業界に入りまして、もう24年になります。
基本的に高齢者の方々とウマが合うといいますか、あまり気遣いも、気苦労もせずにうまくやってこれたかな、という感じです。
あんまり苦労という苦労はなかったのですけれど、実際にケアマネジャーとして関わりの中では、アルコール依存症の方、独居でまったく身寄りのいない方や、ごみ屋敷のようなお住まいの方もいらっしゃいましたので、苦労っていう程の事もないんでしょうけれども、様々な方々との関わりの中で、それぞれ楽しさも辛さもあったと思います。
いきいき:逆にうれしかった事や、特に思い出にのこっている事はありますか?
中村さん:そうですねぇ…、先ほども言いましたが高齢者の皆さんとは相性がいいので、日々楽しくやってこれましたし、特段あれがこれがという事はないですが、アルコール依存症の方がお酒を飲んで、独りお部屋で亡くなった事や、一人暮らしの方が、僕の手を握りながら息を引き取った事とか、そちらの方の思い出が強く残っていますね。
いきいき:お別れをした時の悲しさの方がより記憶に残っていらっしゃるんですね。
中村さん:はい、その時に思うわけです。はたしてしっかり支援しきれたんだろうかと… ですから、楽しさよりは、後悔とまではいきませんが反省がありますね。
いきいき:お勤めされて24年間というお話ですが、この期間はずっと“ひなたぼっこ”で勤務ということでしょうか?
中村さん:平成15年までは社会福祉法人函館厚生院で働いていました。その後“ひなたぼっこ”を平成15年の11月に立ち上げました。
いきいき:なるほど、それまでの経験を基にご自身で会社を立ち上げたという事ですね。
中村さん:そうゆうことです。
いきいき:厚生院ではどのようなお仕事をされていたんでしょうか?
中村さん:当時は、ケアマネジャーや施設長をしていました。
いきいき:ではこの業界で働くきっかけをお聞かせ願いますか?
中村さん:実は私、全国展開のファーストフード店で勤務していたのですが、身体を壊して函館に戻りました。その後、かかわりを持つことになったんです。
戻るまでは秋田が最初の赴任先で、釧路―旭川―札幌―帯広…と道内要所要所で勤務していましたね。最後はススキノ店の店長でした。 なんだかんだで10年努めました。
いきいき:函館のご出身でいらっしゃるんですね。
中村さん:桧山の江差出身なんです。12歳の時から函館で暮らしています。
いきいき:ファーストフードの業界からこの介護業界に入ることになったのはどのような経緯があったのでしょうか?
中村さん:胃にひょうたんみたいな形で2つ穴があきまして、さすがにこれではもう駄目だなと思い、函館に帰ってきたんです。
たまたま私の母が児童養護施設の保母さんだったので、それで、母が「今は身体も悪いんだから夜警の仕事でもやってみれば」って声をかけてくれて、最初は老人ホームの夜の警備員を始めたんです。
あのころは警備といっても外部委託はしてませんでしたから、夜警業務専門の施設職員になりました。 それからしばらくは夜警員として勤務していましたが、身体も良くなってきたところに、当時の施設長から「こういう業界に興味ないか」とお声をかけていただきまして、それからやってみようと思ったんです。

次回は引き続き中村さんに、介護業界についての希望などをお伺いしたいと思います。

中村清秋

居宅介護支援事業所連絡協議会 会長 有限会社スイートホーム 代表取締役
指定居宅介護支援事業所ひなたぼっこ 管理者
通所介護支援事業所ひなたぼっこ 管理者
函館市デイサービス訪問入浴連絡協議会 監事

中村清秋

檜山郡江差町出身、札幌の大学を中退後、全国展開の某ファーストフード企業に入社。各所店舗での業務を経験し、ススキノ店店長を務めるのを最後に同社を退職。函館に戻り、老人ホームの夜間警備員を務める中、上司のすすめで福祉の世界に転身。現在は介護保険事業社の代表取締役、同時に関連協議会等の役員も兼任する。プライベートでは晩酌と韓国ドラマ鑑賞、ネット囲碁を楽しみ、心身ともにリフレッシュし鋭気を養っておられる様子。

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