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インタビュー

その人らしく生きるお手伝い 前編

今回は居宅介護支援事業所あいで管理者及び主任介護支援専門員として勤務されている四戸さんにお話を伺いました。

いきいき:よろしくお願いいたします。
四戸さん:こちらこそ、よろしくお願いします。
いきいき:まず、普段のお仕事の内容をお聞かせ頂けますか?
四戸さん:はい、利用者さん、つまり要介護者や要支援者のご紹介を受けて面談、アセスメントをして、どの様なサービスが希望で何が必要なのかを見つけ、ヘルパーさんが必要とか、デイサービスが必要…などのサービス調整をして、プランを作ります。
プランを作りましたら担当者会議になり、私と、ご本人・ご家族、サービス事業所さん、それと必ず主治医の先生からも意見を聞くんですが、会議は日中で診療時間内のため、先生の出席が難しい事も多く、その際は、書面で必ずご意見や注意事項がないかを聞くようにしています。
利用開始となると、モニタリングをして利用者さんにこれが適切かどうかを見て次の月…といった流れになります。
私はケアマネジャーとしても働いており、居宅介護支援事業所「あい」の管理者でもあるので、管理業務もしています。3人の職員でなんでも相談しながらやっています。
いきいき:お一人で何名位ご担当されるんですか。
四戸さん:ケアマネジャー一人が担当できる人数が35名ときまっているので、そのくらいは受け持っています。ここともう一つ近所のサ高住があるのですが、サ高住に入居している方、自宅で生活している方も担当しています。
いきいき:職員一人で35人の利用者さんを担当するんですか。大変ですね、それぞれ皆さんの様子を見ながら対応されるんですものね。
四戸さん:私達は訪問の業務が主になるんですが、訪問は平日の日中になるので事務所に帰ってきてからのデスクワークが大変ですね。
サ高住に入居されている方は、事務所を出ると利用者さんがいらっしゃいますので、在宅の方よりは顔を合わせる機会が多いと思います。

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いきいき:お仕事以外で介護業界の活動はどの様なことをされていますか?
四戸さん:函館市居宅介護支援事業所連絡協議会の幹事を昨年からやらせていただいています。今年で2年目に入るのですが、皆さん長く連協で活躍されている方たちなので、とても勉強になります。わからないことはなんでも聞いています。以前に一度行って、今後も行きたいことは他事業所と共同での事例検討会です。事例検討会は一人ではできませんし、自事業所の職員間だけだと雑談的になってしまいがちなので、一人や二人で居宅介護支援事業所を運営されている方たちと集まって事例検討会ができれば良いと思っています。
いきいき:一人で居宅介護支援事業所を運営されている方は多いのですか。
四戸さん:たくさんいらっしゃいますよ。パソコンと電話とファックスがあれば今はできるような時代なので、居宅介護支援事業所って結構一人・二人居宅って多いですね。自宅でもできるんですよね。
実際、一人居宅で連協に加入していないっていう事業所は結構多いんです。今は介護員さんやケアマネジャーの質が問われていますから、本当にどのようなやり方をしているのか分からない事があるので、横の繋がりがあればいいなと思うんですけど
いきいき:利用者さんはそれぞれ個別の様々な問題をお持ちでしょうから、業界全体から見たときに、いったいどんな問題が起こっているのかを知っておくのと知らないのとでは全然対応がかわりますし、とても大事な事ですよね。
四戸さん:そうですね。どうしても私達ケアマネジャーは個人事業という感覚がありますので、偏った支援をしてしまう場合とか、自分でも気づかないうちに偏ってるなと思う事があります。やはり周りと話すことで違う視点に気付けるというのは大事なことかなと思います。
    
いきいき:他に活動されていることはありますか?
四戸さん:居宅連協や北東部包括厚生院の圏域なんですけど厚生院の主催する研修会ですとか、あとは宮城さん達が主宰している自立支援勉強会には参加しますし、今は結構OT(作業療法士:Occupational Therapist)の研修会などに参加したりしています。ちょうど先月に訪問看護でPD(腹膜透析)の研究会が五稜郭病院でありまして、私の担当している利用者さんの事例が発表されたものですから、初めてそちらにも参加させていただきました。腹膜透析の勉強会だったので、ナースと先生ばかりだったんですけど、その中で事例等を発表させてもらいました。
いきいき:四戸さんは初めから介護業界で働かれていたんですか?
    
四戸さん:私は、函館出身で、短大を卒業して管理栄養士として二十歳から病院に勤めていたんです。15年目に体調を崩して入院や手術があってその職場を退職したんですよね。その時に雇用保険の教育訓練制度でヘルパー2級の資格を取れることを知って、手術後の体調などを考えると今は働けないし、せっかくそのような制度があるんだったらと言うことで、まずヘルパー2級の資格を取らせてもらいながら3ヶ月学校に通って講座を受講したんです。まだ体調も良くなかったので10時~16時のパートで働いて、来年度には就職したいなと考えていた時に管理栄養士の資格を持っているとケアマネジャーの受験資格があると言うのを初めて知ったんです。
介護業界の事を全然知らなくてケアマネジャーが何をするのかも知らないし、身体介助とか生活援助自体も全然知らなかったんですけれど、現場はまだ体力的にも大変かなと思って、ケアマネジャーの試験を受けたら合格したんです。じゃあやってみようかって、全然理念とかもなく始めたんですけど、実際やってみたら管理栄養士にはもう戻れないかなって感じなんです。
いきいき:今のお仕事が楽しくて戻れない…ってことですね。
    
四戸さん:そうですね。管理栄養士は病院内での勤務だったので、栄養指導とかで患者さんや人に会ったりとかすることはあるんですけど、やっぱり事務所に籠ってデスクワークが多かったり、せいぜい接するのが厨房の方々だったんです。いろんな人と接する事とか、利用者さんはもちろん、事業所の方とか、本当に沢山の方と接するので楽しいかなと思うんです。
いきいき:やはり、皆さんどこかに素質をもってらっしゃって、何かをキッカケにスイッチが入るんでしょうね。
    
四戸さん:今でも初めてのお家に伺うときはとっても緊張しますし、どんな方かなって思いながら訪問しています。特に市から依頼を受けて認定調査にも伺う時は本当に一回きりで、行って調査したら終わりっていうことなのですごく気を使います。
ケアマネジャーはもっと事務仕事が多いのかと思っていましたけど実際は意外とそうでもなくて、結構出歩いたりしますし、そんなに机に向かってやるなんてことは無かったですね。
いきいき:利用者さんのプランを作るには現場を見ないことには具体的な方法もわからないですよね
    
四戸さん:そうなんです。デイサービスなどは必ず見学してから紹介します。「こんな所だよ」ってちゃんと利用者さんに説明できないとダメだと思って必ず施設にしても新しく出来たところには見学に行くようにしてるんです。
それと利用者さんはもちろんなんですが、事業所さんとの繋がりも大事にしたいなと思っているんです。
いきいき:つくづくネットワーク(繋がり)が大切な業界だと感じますね。
    
四戸さん:初めは本当になんにも分からなかったんです。やり方一つとっても違うんです、なのでヘルパーステーションで直接聞きました。同じ事をやっても事業所が替わるとそれぞれやり方が変わるんです。どっちが正しかったんだろうとか、このやり方でもいいのかなとか疑問に直面するんです。そんな時に所さんとか、他の幹事の方に電話なんかで聞きながらやってるんですけど、皆さん丁寧に教えてくれるので本当に助かります。

次回は引き続き四戸さんに、業界で今、気になることなどをお伺いしたいと思います。

四戸悦未

社会福祉法人心侑会 居宅介護支援事業所あい
管理者・主任介護支援専門員/

四戸悦未

函館生まれ、函館育ち。管理栄養士として病院で15年勤務するが体調を壊し退職。その後ヘルパーの資格を取得し、続いてケアマネジャーの資格も取得するのをきっかけに介護業界へ転身を遂げる。休日はライフワークであるソフトバレーの連盟理事を務めるかたわら自身もプレヤーとして毎週のように行われる大会に出場。幅広い年齢層で楽しめるソフトバレーの普及のため大会運営や普及などの活動を行う。”その人らしく生きる”お手伝いができるよう利用者とその家族、事業者と医療機関との連携を大切にして日々ご活躍中。

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