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インタビュー

体験する機会の創出 技術に+ハート<後編>

今回も引き続き佐々木さんにお仕事のやりがいや、この業界で気になることなどをお聞きしました。

いきいき:お仕事をされていて楽しい事やつらい事を教えてください。
佐々木さん:楽しいことは、みなさんそうだと思いますが、利用者さんや入居者さん、ご家族の方が笑顔でいらっしゃる時は本当に楽しいですね。施設にいると、入居者さんのケアの部分などで感謝していただくこともありますし、そういう言葉をかけていただいた時は、本当にうれしいなと思います。
あと、ここの施設に来て思ったのは、みんなで“チームケア”という部分で目標を作って、ひとつの事に一致団結して取り組んでいて、達成できた時は喜びを感じますね。
在宅の部分では、小規模の利用者さんなのですが、ずっと施設に入りたいと言っていた方が、みんなの支えによって気持ちが変化して、みんなに手伝ってもらいながらしばらく家で暮らし続けたいというように選択してもらえた時も、私たちがきちんと支えた成果なのかなと感じられました。そういう時はうれしいなと思います。
いきいき:逆につらい事はありますか。
佐々木さん:管理者というところで言うと、自分の思ったように事が進まないことも多いですし、予期しないことが次から次へと出てきます。それは利用者さんや入居者さん、職員の事もあって、いつも気を抜けないというか時々疲れるなと思うことはあります。
いきいき:全体を見ないといけない分、タフな仕事ですね。
佐々木さん:最初来た頃は本当に職員の定着率が悪くてどうしようと思いましたが、実際に利用者さんや入居者さんに楽しんでもらう為には、まず自分たちが働きやすい職場作りをしてみようと「サービス向上委員会」というものを新しく作り、みんなで「ここはこうだよね、あれはこうだよね」と話をしながら取り組んでいます。その甲斐もあり、この1年で退職者が1人、2人になり、定着率も良くなってきました。おそらく職員同士の結びつきが良くなってきたのかなと思います。
どんなに自分の好きな仕事であっても、一緒に働く仲間に左右されるので、人間関係が一番大事です。スタッフ同士がいがみ合っているのって伝わってきますし、そうなると利用者さんもそんなところで安心して暮らせないと思うので、雰囲気作りが大事だよねと話しています。
いきいき:技術の部分もそうですがハートも育てていかなければならないと思いますし、介護業界の皆さん頭を悩ませている所かと思います。 続きまして、介護業界で気になる事や、もっとこうしたらと思う点があれば教えてください。
佐々木さん:今、地域包括ケアシステムで、医療福祉や地域資源で縦横にネットワークが広げられているのですが、そのシステムで本当に要介護者や障がい者などが暮らしやすい世の中になっていくのかなと心配しています。来年から函館市も日常総合支援事業が始まりますが、町内会や地域の結びつきが強いところは良いとは思いますが、交流が少ない方などが隙間に埋もれてしまって、必要なサービスが届かなかったり使い勝手が悪くなってしまわないかなと思っていました。

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いきいき:地域との交流が苦手な方もたくさんいらっしゃいますからね。
佐々木さん:介護保険は法的なサービスですが、日常総合支援事業になると、ボランティアさん任せみたいな部分も含まれていて、そのような中で使いづらかったりしないのかなという心配もあり、そう考えるとこれからは個人の持っている力、人であったりお金であったり物、そういうものが揃っている人は十分なサービスや必要な援助が受けられるのですが、そういう力が無い人は制限されてしまうのではないかと、漠然と思っています。
いきいき:弊社のサービス付き高齢者住宅の検索サイト「いきいき60+」はご覧いただけましたでしょうか。
佐々木さん:拝見しました。地図に高齢者の住宅が点々と付いていて、どこの地域にどういうものがあるのかすぐに分かるのがいいなと思いました。あと、高齢者住宅は今とても複雑になってきていて、一般の方だと分かりにくいと思いますが、住宅型と介護型という形できちんと分かりやすく書かれていて、実際に選ぶ時にその説明を読むと「自分はこっちだな」などと選択しやすくていいな、便利なものだなと思いました。
いきいき:最後の質問になりますが、プライベートでの過ごし方を教えてください。
佐々木さん:基本的にはゆっくり過ごしています。温泉に行ったり、犬や猫の本を見て過ごしています。写真を見ると和むので。
いきいき:ペットを飼われているのですか。
佐々木さん:チワワを飼っていますが、うちの犬は猫化しているんですよ。帰った時に「ワンワンワン」とお迎えに来てくれるけれど、それは付き合いでやってくれているような(笑)。一通り吠えるとスーッと自分のケージに入ってしまいます。他の家のワンちゃんだと、結構絡まって「遊んで!」と来ますが、それが無くて少し寂しいかなと。あまりにも小さいときに構わなすぎたのかな。
いきいき:挨拶みたいなものなのですね。それが佐々木さん家のワンちゃん流の癒しかもしれませんね。
佐々木さん、今日はお忙しいところありがとうございました。

大きな問題が起きた時に、今一度自分の仕事を見つめなおし、必要な事柄を明確にしてシステムを作っている所に、力強さを感じました。

佐々木エリカ

地域密着型特定施設入居者生活介護事業所ゆう 施設長 介護付有料老人ホームゆう 施設長
小規模多機能ホームゆう 施設長

佐々木エリカ

函館生まれ、函館育ち。市内の病院にて准看護士として勤めていたが、出産を機に退職。介護保険がスタートし、1年が過ぎた頃、育児に時間の余裕が出てきたことをきっかけに介護業界へ。パートにて訪問介護・訪問入浴を経験し、その後療養型の施設に勤務しケアマネジャーの資格を取得。現在は地域密着型特定施設入居者生活介護事業所ゆうの施設長を務め、施設の運営や管理をすると共に介護支援専門員も兼務し、日々ご活躍中。

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