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インタビュー
繋がるネットワーク 業種を越えて 前編
今回は居宅介護支援事業所ステラでご活躍中の石川さんにお話を伺いました。
- いきいき:まず普段のお仕事の内容をお聞かせ下さい。
- 石川さん:介護保険の利用が必要な方達が介護保険サービスを利用できるまでの段取りや、利用した後の調整をしたり等々です。まずはご自宅で生活されている方が極力不便なくご自身とご家族との生活を営んでいけるよう、その為に必要な支援というものを考え、提案し、調整していくお仕事です。
- いきいき:高齢者の方はどのような形で来られるのですか?
- 石川さん:大抵は各病院さんからのご紹介となり急性期の病院が多いです。「退院されるけどケアマネジャーがいないので担当して下さい」という形でご依頼いただきますね。最近はだんだんと病院さん側で”こういうサービスが必要だと思います。”とか”こういうサービスを希望されています。”というような情報をいただいてから関わらせて貰えることが多くなってきています。その為スムーズにサービスを提供できるようになっていますね。
- いきいき:ステラさんで働いている事以外に、介護業界での活動というものを教えていただけないでしょうか?
- 石川さん:研修会などですね。「居宅介護支援事業所連絡協議会」というのがありまして、(前々回インタビューご出演の)渡部さんと同じく、その協議会の幹事を致しております。(前回インタビューご出演の)波並さんとは「在宅ケア研究会」「ケアカフェはこだて」などの活動を共にしております。 在宅ケア研究会というのは地域の病院の先生方が主体となって作っている会で、会長が「函館おしま病院」の福徳先生、副会長が「ごとう内科胃腸科」の後藤先生です。急性期(病院)やクリニックの先生などたくさん参加されていて、そういう先生方と在宅の支援者である訪問看護師、病院やクリニックの看護師、ケアマネジャー、施設職員、作業療法士、薬剤師などなど、様々な職種が集まり一つの会を作っております。在宅ケアの質を少しでも高めていければと活動しております。
- いきいき:活動内容は、どのような感じでしょうか?
- 石川さん:そうですね。先週(9/4)も「五稜郭病院」で行ったばかりですが、いろんなグループワークをしたり、講義式の研修会を行ったり、11月には市民公開講座も予定しておりまして、市民の方にもお話を聞いていただけるような機会を設けていければと考えております。 今回の市民公開講座は、群馬県認知症疾患医療センター内田病院の田中志子先生をお迎えして講演会を開催します。この会の定例会は、年4回を予定しておりまして、年に1度は市民公開講座となるような大きな研修会を行ない、あとはそれぞれ幹事が担当して定例会を開催しております。前回は「五稜郭病院」の緩和ケアの看護師さん達が主となって行って下さいました。11月の市民公開講座の次は作業療法士の方に中心となって進めていただく予定です。
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- いきいき:色々な分野の方が参加されているだけありまして、様々な角度からの勉強会みたいですね。やはり高齢者の方の体調というのも多角的に見ていかないといけないという事でしょうか。
- 石川さん:異なる職種が良い関係を作りながら、在宅での利用者さんの支援をしていければと考えています。やっぱり顔の見える関係とそうでない関係とでは、きっと力の併せ具合も変わってくるんじゃないかと。その為にも、利用者さんを支援をしていく中で、いろいろな疑問やそれぞれの職種の理解を深める為に、他業種間のネットワーク作りをしていきましょうという事が主たる目的ですね。
- いきいき:その勉強会の中でも特に参考になったでき事などお聞かせ願えますか?
- 石川さん:病院の先生方とのネットワークができた事はすごく大きいと思います。この会に入っていなければ、これだけ多くの先生とお知り合いになることは無かったですし、ケアマネジャーという職種を先生方に知ってもらう機会もありませんでした。 急性期の先生方は、在宅の介護サービスに関わる機会は殆どありません。この会はそんな先生方の中で、これからの医療は在宅支援を知る事が必要だと、そのために多職種と係る機会、またそれにまつわる勉強をしていかなければならないという想いから生まれた会なんだなと感じています。そして、そこに賛同される先生方が積極的に活動してくださっております。医療・介護という垣根とか、先生・その他の職種であるとか、そういったところを越えて交流を図ろうと考えて下さったのは非常に有難く、函館市内の医療・介護の連携が他の地域より上手くいっていると耳にするのは、先生方が想いをもって活動されているお陰かなと思います。 この会をスタートしたのは、ケアマネジャーを知らない先生がたくさんいた時代だと思うのですが、それが今はどんどん先生方も理解してくださっていますね。私達も病院や先生がすごく遠くに感じていたのが近くなってきたかなと。今までは会員さん皆様とお食事をするとかそういった機会をもてなかったのですけど、今年度は「在宅ケア研究会」でも幹事+会員の方とお食事なり、お酒なりを飲みながらお話をして、より親交を深める機会を作ろうという事になっています。年度末には飲みニケーションを、という感じです。
- いきいき:今の介護業界で思う事をお聞かせ下さい。
- 石川さん:10年前、20年前では考えられないような状態の方が普通にご自宅に帰ってこられる、そういう時代になってきていますね。医療的な処置が必要な方もどんどん病院から退院されて、施設に入られたりご自宅で過ごされたり、パターンは色々あると思うのですが、そういう方々に対応できる技術と体制ですね。それがまだまだ充足されていないのかなと。 たとえば施設であれば最近は「胃ろうの方は受け入れできます、在宅酸素の方も対応可能です」という所は増えてきてはいますけど、「受け入れられません」という所もまだあります。また、「胃ろうは可能だけど、サクション(たん吸引等)は受け入れれません」とか、そういった医療処置が必要な方の行き場がまだまだ少ないと感じます。これは長年の課題ですね。で、ここからどう変わっていくのかという興味はあります。 施設サービスでいくと今まではそういう体制が取れなくても満床になることができました。しかし、特に函館市の現状としては、サービス付き高齢者向け住宅やグループホーム、特定施設も増えています。今年度は特別養護老人ホームも増えたことにより、入所の待機者が少なくなってくるのではと感じています。今まで待機何百人が、調べてみたら十数人しかいなかった、そういう事が起こってくるのではと。そんな状況に施設の体制も少し変化してくるのではないかなと。そうなると今まで医療処置の問題でに受け入れできなかった方たちを、受け入れる体制を作っていかなければならないとか、そういった変化に期待はあります。実際に早い所はもう対策を練って変化してきている所もありますし「ここは楽しそう」「ここはつまらなそう」「ここは暗くていやだわ」など、たとえ医療ニーズが高い方でも選んで申し込みできる時代が来ればなぁと。 これってきっと数年の間だと思うんです。何十年も続かないと。またいつか、施設の待機者がどっと増える時期もそう遠からずしてくるだろうと。今この数年が、函館市の介護施設、介護サービスのレベルがぐぐっとあがる時期になるんじゃないかなと期待しています。ショートステイも沢山増えて(施設あたりの)利用者さんは減ってきているようです。なので、今までショートステイを始めればすぐ満床になって運営できたようですが、どんどん利用者さんが減っている状況で、やはりなにか工夫していかないといけない時代にきているのではないかと思います。
- いきいき:それでは、この業界に入られたきっかけをお伺いしたいと思います。どのような経緯でこの業界に足を踏み入れられたのでしょうか?
- 石川さん:両親に薦められてという感じです。自分にも他にやりたい事があって、ちょっと函館を離れたいという相談をしたんですが、両親から「成人するまでは函館に居なさい」と、「その間学生もちゃんとしなさい」と薦められて、「その後学生生活の後に自分でお金を貯めて出るなら出なさい」という約束で、福祉の学校に通学させて貰いまして、そのままと(笑)
- いきいき:その後ステラさんに入社されたんですか?
- 石川さん:ステラは4年前に入社し、今5年目になります。介護保険ができる前の時には、ホームヘルパーをしていました。平成7年に社会福祉協議会という所で常勤ヘルパーとして、当時介護福祉士という資格を持っている人は珍しかったので採用していただいて、パートヘルパーさんのチームリーダーとして勤務してからがスタートですね。平成12年に介護保険がスタートして、実務年数の関係で実際には平成13年に介護支援専門員の資格を取得しています。そこから何ヶ所か移って、今のステラに入社しました。
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次回は引き続き石川さんに、お仕事のやりがいなどについてお伺いしたいと思います。
居宅介護支援事業所連絡協議会 幹事 居宅介護支援事業所ステラ 管理者 道南在宅ケア研究会 幹事 安心して暮らせる福祉のまちづくり研究会 幹事他
石川 静
函館生まれ、函館育ち。ご両親の勧めから福祉の学校に進学。卒業後、ホームヘルパーとして経験を積み、現在は居宅介護支援事業所ステラにて、所長として勤務。 休日は、波並さんもご参加されている「蝦夷しか会」のメンバーと、竹の子狩りやキャンプ、スノーボードを堪能するなどアクティブなご様子。 日々、利用者さんが元気になるためのアプローチを考え、介護の質の向上を目指してご活躍中。
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