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インタビュー
自分ができること 子どもたちに託すこと<後編>
今回も引き続き佐々木さんにこの業界で気になることや、今後の展望などをお聞きしました。
- いきいき:介護業界で気になることや、もっとこうしたらということがあれば教えてください。
- 佐々木さん:介護業界とひとくくりにできないかもしれないですが、これからの高齢者世代を誰が支えるかと言うと、今の小さい子どもたちですよね。私たちよりも若い世代の人たちの今後の動向が気になっていて、児童の分野には興味を持ち始めています。
- いきいき:若い世代の人たちに、介護に関する教育をしていく、ということですか。
- 佐々木さん:そうですね、道徳の授業などでもいいので、介護・福祉など全般的なものをさらっとでも、小学生くらいの段階で授業に取り入れていったほうがいいのかなと思っていました。
- いきいき:小学校等の教育で、高齢者の環境を想定して、視界を削って重石を体に付けて歩いてみる疑似体験のようなものを聞いたことがありますが、そういう活動をもっと広めていってほしいということですね。
- 佐々木さん:そうですね。小学校のでカリキュラムのひとつとして、学校ごとにやるのではなくて、年に何度かでもいいので、そういう授業を行ったほうがいいと思いますね。
- いきいき:小学生の頃って、おじいちゃんおばあちゃんと遊ぶことも多いので、その時期に「おじいちゃんおばあちゃんって実はこんなに大変なんだよ」というのを教えてあげると実感しやすいかもしれないですね。
- 佐々木さん:函館は高齢者が増えていく地域だと思うので、子どもたちにやさしい気持ちを持ってもらえるように、普段の勉強も大事ですが、心の教育も大事なのではないかなと思いますね。
- いきいき:素人である私自身が、はたしてどこまで介護できるかという話になると、確かにそういう教育も大事だなと思いますね。
- 佐々木さん:私たちはこういう仕事をしてきているから、お年寄りが歩いていたらあれ?となるかもしれないけれども、“地域で支える”ということを言うのであれば、まだ無関心のひとが大半。私もまだ勉強中ではありますが、国がやろうとしていることが地域に浸透するには時間がかかると思うんですよね。実際現場に携わってる人たちは、これからとても苦労するのではないかなと思います。
子どもが減ってきている中、これからのちびっこたちの活躍は不可欠なので。自分の世代の為ではないけれども、私たちがおじいちゃんおばあちゃんになった時に、支えてくれる子どもたちに、なんとなくでも子どもたちにも未来を見てほしいと思っています。
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- いきいき:こちらでお仕事されていて、うれしかった事、つらかった事などあればお聞かせください。
- 佐々木さん:楽しい事は、訪問先で長くお付き合いさせていただいている方と、普通におじいちゃんおばあちゃんとお話しているような、そういう会話がある時は、ああ楽しいなとか、年の功だなとか思うことがあります。「待ってたよ」とみなさん良くしてくれますので。
あとは、皆さん理由は様々ですが最後は離れることがあるので、その時に「ケアマネジャーがあなたで良かった」と言ってもらえると、うれしいです。
一番うれしかった事は、ここの事務所を開設した時、ケアマネジャーの経験がまた一年たらずの上、一人ケアマネだったので、手探りでやっていて、間違いだらけの事とか、仕事の約束をすっぽかして別の事をやっていたりとか、たくさん失敗しながらも先輩や上司に教えてもらいながら仕事をしていたですが、その当時から担当しているおばあちゃんがいて、「あなた成長したよね」「がんばってるね」「あなた変わったよ」と言われたときは、目の前で号泣してしまいました。 - いきいき:一人ひとりとのお付き合いが長くなるから、その分、おばあちゃんの方がずっと見守っていてくれたんですね。
- 佐々木さん:私がおばあちゃんのところに行くと「待ってたよ」と言ってくれるんだけれど、おばあちゃんは逆に私のことを本当のおばあちゃんのように見守っていてくれたんだなと思った時、本当にうれしかったですね。
- いきいき:こういう経験はなかなかありませんよね。
- 佐々木さん:ケアマネジャーとして「よかった」と褒められる事はあっても、そのおばあちゃんが言ったのはまた別の意味合いというように私は受け止めたので、頑張って良かったな、というのはありました。
- いきいき:いきいき60+をご覧になって、いかがでしたか。
- 佐々木さん:一覧で探すと、最初の何社かは4つくらいに分かれて詳しい情報が見られたので、それはすごくわかりやすいと思いました。あと、一般の不動産屋さんにつながるようになっていて面白いなと思って見ていました。
- いきいき:ちなみに、もっとこうしたらという点があったら教えていただけますか。
- 佐々木さん:できれば載っている会社すべてに詳しい情報が載っていると、すごくいいなと思います。
- いきいき:最後になりますが、プライベートでの過ごし方を教えてください。
- 佐々木さん:休日は家のお掃除をまとめてやったり、ご飯支度をしたり、あと本を読むのが好きなので、夜落ち着いたり休みの日は本を読んでその世界に入り込むのが楽しいです。
- いきいき:どういうジャンルの本を読まれるのですか。
- 佐々木さん:刑事さんが出てくる、殺人事件や、ミステリーとかサスペンスなどです。一番好きな作家さんは、東野圭吾さん。大好きなんです。あとは宮部みゆきさんとか。その他興味をそそるようなタイトルがあれば読みます。最近だと64(ロクヨン)という映画の本を読みました。基本的に休みの日は休みたいのでひきこもりです(笑)。家でゆっくりするのが好きなんですよ。
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これからの高齢者社会、関係のない人間は誰一人いなくて、全員で力を合わせていかなくてはいけないと、改めて勉強になりました。
居宅介護支援事業所のぞみ
管理者・主任介護支援専門員(社会福祉士)/
佐々木恵
松前生まれ。中学生のころにソフトボールで活躍し、スポーツ特待生として大妻高校に入学、函館に移り住む。卒業後、福祉科で学んだ知識を元に、特別養護老人ホームに勤務。現在は居宅介護支援事業所のぞみの管理者を務める。その傍ら、介護業界の行く末を考え、ケアマネジャーネットワーク函館の副会長及び事務局を務め、研修会や理事会に参加する等、日々ご活躍中。
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